記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
貧血の症状といえば、妙に疲れやすい、なんとなくめまいがする、だるいなど。こうした症状に悩む女性は多いのではないでしょうか? ここでは貧血の原因について解説します。
血液は、赤血球、白血球、血小板という3種類の細胞から作られます。その中の赤血球は、円板形状をしていて、骨髄で絶えず生成されています。これは赤血球が120日しか生きることができないためです。
赤血球にはヘモグロビンが含まれていますが、これは赤く、鉄分が豊富なタンパク質で、肺から体の末梢組織に酸素を運びます。また、細胞から二酸化炭素(老廃物)を受け取り、二酸化炭素を吐き出すために肺まで運びます。
白血球は体の免疫系の一部で、病気や感染症と闘います。血小板は血液凝固に役立ち、平均で6日生存します。
貧血とは赤血球の減少した状態を指します。貧血持ちの人は疲労感を覚えたことがあるかもしれませんが、これは十分な赤血球がない状態で、心臓が酸素を筋肉や臓器に運ぶためにより激しく働いているためです。
慢性的な病気、骨髄疾患、鉄不足、ビタミン不足、遺伝性疾患など、貧血の原因として考えられるものはたくさんあります。
以下では、貧血を起こりやすくする要因となっている行動や状態を、項目別に解説します。
ビタミン、特に鉄分、葉酸、ビタミンB12があまり含まれていない食事を常にしていると、貧血のリスクが高くなります。これらのビタミンは、体が十分な量の赤血球を生成するために必要不可欠です。
アルコールに依存している人も貧血になりやすいかもしれません。アルコールは体の葉酸を吸収する能力を妨げてしまうからです。また、厳密なベジタリアンの人も貧血になるリスクが高くなっていることがあります。多くの場合、肉に含まれている鉄分やビタミンB12を十分に摂取していない可能性があるからです。
体の栄養素を吸収する能力を妨げてしまう腸疾患(クローン病やセリアック病)を抱えている人は、貧血になるリスクが高くなっています。
女性は男性よりも貧血になりやすいです。月経の間、血液を失うからです。
妊婦は鉄欠乏性貧血になる可能性が高くなっています。蓄えられている鉄分やヘモグロビンによって、胎児の成長も支えていかなければならないからです。
慢性疾患の中には、赤血球不足に繋がってしまう可能性があるものもあります。がん、慢性腎不全、その他の慢性疾患を抱えている人は、貧血になるリスクが高いかもしれません。
家族の中で、遺伝性の貧血(鎌状赤血球症など)になった人がいる場合、貧血になるリスクが高くなっているかもしれません。
いくつかの感染症、血液疾患、自己免疫疾患、毒性化学薬品への接触、いくつかの薬剤などによっても、赤血球の数が減少し、貧血になる可能性があります。
もともと持っている疾患が原因になることもありますが、生活習慣や食事を変えていくことで、貧血も改善していく可能性があります。
心臓や肺に負担がかかっています。「ちょっと疲れてるのかな」で終わらせず、なるべく早く改善しましょう。症状が続くようなら、医師に相談することも大切です。