記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
原因不明の腹痛やお腹の張り、そして下痢や便秘に苦しんでいませんか?こういった症状が月に3回以上、数ヶ月にわたって続いているなら、「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。以下で詳しく解説していきます。
過敏性腸症候群(IBS)とは、慢性的に下痢や便秘を繰り返すいう一連の症候群です。その他の腸の病気(炎症性腸疾患など)を除外したのちに診断されます。一般的に過敏性腸症候群は何らかのストレスや感情の変化によって、消化器系が過剰反応することで引き起こされると考えられています。肉眼的に消化器系に異常が発見できるということではないため内視鏡検査によって原因が発見されるというわけではありません。
過敏性腸症候群を引き起こしたり、悪化させたりする原因として、主に以下のものが考えられます。
・ストレス
・神経質、心配性
・食物繊維の摂取不足
・特定の飲食物の摂取
牛乳、チョコレート、脂肪分の多い食べ物(揚げ物など)、カフェイン飲料、アルコール飲料などの摂取が原因で、便秘や下痢が引き起こされる可能性があるといわれています。
繰り返す便秘と下痢でお悩みの方は、日常的なストレスや日頃の食生活について振り返ってみることをおすすめします。
過敏性腸症候群と診断された方や、交互に訪れる便秘と下痢でお悩みの方は、以下の治療法を試してみてください。
負担の少ない運動はストレスを軽減するだけでなく、腸の働きを正常化してくれる効果があるとされます。特におすすめの運動は、リラックス効果の高いヨガです。ヨガ以外には、新鮮な空気の中で散歩することでもリラックス効果が得られると考えられているため、同様に便秘や下痢の緩和につながるでしょう。
アロマセラピーやリフレクソロジーといったリラクゼーションも、ストレスを解消できるだけでなく、腸をリラックスさせる効果があると考えられています。便秘や下痢でお悩みの方はぜひ試してみてください。
毎日の食事で摂取する食物繊維の量が少ないのであれば、それが便秘や下痢の原因かもしれません。下記の食べ物を積極的に摂取していきましょう。
・全粒粉パンや全粒粉パスタ
・皮付きの果物や野菜
・新鮮なフルーツジュース
・ハチミツ漬けのドライフルーツ
・豆類、大豆製品(インゲン豆、エンドウ豆、豆腐など)
なお、食物繊維の摂取量は少量ずつ、徐々に増やしていくことが大切です。いきなり多量の食物繊維を摂取すると、別の消化器異常をきたす恐れがあります。また、食物繊維の摂取と併せて、水分を普段より多めに摂取するようにしましょう。水を飲むことで食物繊維が膨張し、排泄されやすくなります。
慢性的なストレスを感じていたり、日々の食生活が偏っていたりする場合、その便秘や下痢は過敏性腸症候群によるものかもしれません。過敏性腸症候群を治療するには、ストレスを解消したり、食生活を改善したりするなどの日常的なアプローチが非常に重要になっていきます。できることからでかまわないので、対策を始めましょう。