記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
前回の記事では、赤ちゃんや子供の下痢の原因や症状についてまとめました。赤ちゃんや子供は、身体が小さいので、下痢が続くと命にもかかわります。ここでは、病院に連れて行くタイミングや対策をお伝えします。
次に挙げる症状が現れた場合、注意が必要な状態です。小児科の受診をお勧めします。
・子供が水分を摂ることができない、または母乳を飲むことができない
・子供が食べたものや飲んだものを全部吐き出してしまう
・子供がけいれん・ひきつけを起こしている
・子供が衰弱していて、ぼんやりと何かを見つめている
・子供の目が覚めない
・子供が呼吸困難に陥っている
・子供の便に血が混ざっている
おならをしたり、排便したりしても解消されない持続的なお腹の痛み、腹部の特定の場所に限定的な痛みがある場合は、腸閉塞のような深刻な病気の兆候の可能性があります。
子供がお腹をぐっと掴んだり、叫んだり、胸の近くで脚を抱えたりしている場合は、深刻な腹痛が起こっている可能性があるので、すぐに病院を受診するようにしましょう。
以下に比較的頻度の高い腹痛の原因についてご説明します。
ノロウイルスなどのウイルスによる腸炎です。吐き気、嘔吐、下痢を伴うことが多く、1日から3日続く下痢は、ウイルス性腸炎の可能性を示しています。
高熱や、便に血や粘液が混ざっており、どちらかというと下痢は軽度である場合は、細菌性腸炎になっている可能性があります。嘔吐はそれほど見られません。
食物不耐性や乳糖不耐性の代表的な症状として、特定の食べものを食べてから数時間後に下痢、お腹の膨張感、おなら、けいれんなどの症状が現れることが挙げられます。
ストレスを感じている期間、けいれんを伴った下痢になることがありますが、これは心理的な疲労に起因しています。
赤ちゃんと同様に子供だと、ウイルス性腸炎や細菌性腸炎が下痢、嘔吐、高熱の原因となる可能性があります。5日ほど熱がある状態が続いた場合でも、熱がだんだん下がっているようであれば、大きな問題になることは少ないとされています。
赤ちゃんや子供の下痢を予防するためのヒントを下記に挙げます。
・トイレに行ったあとと食事の支度をする前は、必ず手を洗いましょう
・ラップで包むなどして、ハエが食べものの上にとまらないようにしましょう
・赤ちゃんの調子が悪くても、母乳を与え続けましょう
・汚れ、ゴミ、便器は定期的に掃除するようにしましょう
赤ちゃんや子供は、下痢になることが多く、その原因もさまざまです。小児は自分では症状を訴えられないことが多いため注意が必要です。脱水症状にならないように気をつけて、心配な時は小児科を受診しましょう。