記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
尿路感染症は泌尿器科で起こる細菌感染症で、特に女性が罹りやすい症状です。代表的なものとしては膀胱炎が挙げられます。この記事では尿路感染症及び膀胱炎の発症原因について詳しく見ていきましょう。
尿路は、膀胱、腎臓、尿管(腎臓と膀胱をつなぐ二本の管)、尿道(膀胱から尿を体外に排出するためにある)から構成されています。そのうち腎臓で感染が起きたものは腎盂腎炎(じんうじんえん)と呼ばれ、膀胱で感染が起きたものは膀胱炎と呼ばれます。
膀胱炎は一般的に抗生物質を投与して、水をたくさん飲んで排尿を促し、膀胱から細菌を追い出すことで治療していきます。
膀胱炎自体はさほど危険な症状ではありませんが、感染が尿管を通って腎臓まで広がると腎盂腎炎や敗血症などの深刻な状態を招く可能性があります。
膀胱炎などの尿路感染症の原因となる細菌の出所は主に大腸です。女性の尿道は短く、肛門に近いところにあるので、男性よりも尿路感染症になるリスクが高いと言えます。
尿路感染症は上で述べたような尿路で起こる感染症です。その中に感染部位によって膀胱炎、腎盂腎炎などと分類されます。
以下のような症状がある場合は尿路感染症を疑います。
・排尿時に焼けるような痛みがある
・頻繁に尿意を催すが量は少ない
・腰や下腹部の痛みや圧迫感がある
・尿が濁っている、暗い色をしている、血が混じっている、変な臭いがする
・疲れやすい、もしくはフラフラする
・発熱、悪寒
尿路感染症の原因の多くは大腸菌やクレブシエラ菌、プロテウス、腸球菌など腸内の細菌です。
糖尿病は尿路感染症のリスクを高める可能性があります。
これは尿中の糖が細菌にとっては好環境であるだけではなく、血糖値が高いことが感染症と闘うために必要不可欠である白血球の機能を妨げ免疫系を弱めるからです。
また、糖尿病は膀胱に繋がる神経を障害するため、膀胱の収縮を弱めて尿停滞を引き起こす可能性もあります。
尿路感染症は以下のような上部尿路(腎臓と尿管)の閉塞や、前立腺肥大症、前立腺がん、尿道狭窄などの尿路の障害が原因となって生じている場合があります。
・尿路結石
・腎盂尿管移行部通過障害
・巨大尿管症
・尿管狭窄
・腎乳頭(腎臓内にある組織のひとつ)がはがれる
膀胱炎に代表される尿路感染症の主な原因は、尿路への大腸菌の侵入や免疫機能の低下、尿路で発生している基礎疾患などが挙げられます。
感染を予防するには、(女性であれば)排泄後は前から後ろに向かって拭く、尿意を感じたらトイレを我慢しない、水分を普段より多く摂り排尿を促すなどの方法が効果的です。