二日酔いの頭痛を解消する方法とは!?原因から理解しておこう!

2017/8/7 記事改定日: 2018/5/22
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

二日酔いの症状のなかでも、特につらいもののひとつが頭痛です。今回の記事では、二日酔いの頭痛を解消法を原因とともにまとめました。
二日酔いはお酒を飲む人なら誰にでも起こる可能性がある身近な悩みです。いざというときのために役立ててください。

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二日酔いで頭痛が起こる理由とは?そもそも二日酔いはなぜ起こる?

二日酔いの症状は、めまいや頭痛、脱水症状、胸やけなどです。最後にアルコールを摂取してから1時間後に症状が現れ、最も深刻な症状が出るのは8~10時間後であり、症状は24時間続くこともあります。

二日酔いの原因

二日酔いは、アルコールによって引き起こされる、神経系へのダメージの結果のひとつと考えられています。

「二日酔いは血中アルコール濃度の高さと関係があります」と、専門家は述べています。「摂取されたアルコールの95%が肝臓で分解され、残りは汗、呼吸、尿によって体外に排出されます。しかし、アルコールの摂取量が排出量を超えたとき、血中アルコール濃度が長時間、高い水準のまま留まることで二日酔いの症状が現れます。

脱水症状との関係性

お酒の利尿作用によって脱水症状に陥ることも二日酔いの症状が起こる原因のひとつです。また、お酒に含まれるメタノールやアセトンによっても二日酔いが引き起こされると考えられています。その他、過度のアルコール摂取によって体内のビタミンとミネラルが減少し、血糖値が不安定になることも関係しているといわれています。

頭痛が起こるメカニズム

二日酔いに陥っているような状態のときには、体は脱水状態となります。脱水状態になると、血液量が減るため、私たちの体には血管を広げてより多くの血流量を維持しようとする作用が働きます。

頭部にある血管は、周囲に神経が張り巡らされた複雑な構造を取るものがあり、血管が拡張すると周囲にある神経を刺激して頭痛を引き起こすことがあります。
このため、二日酔いでは頭痛に悩まされることが多いのです。

二日酔いの頭痛は解消法とは!?予防することはできる?

二日酔いを防ぐ最善の方法は飲みすぎないことです。ここでは、効果があるといわれている二日酔いの予防法と解消法をいくつか紹介します。

水分

アルコールを飲むことで多量の水分が失われるます。お酒の飲む合間に水分を補給しましょう。また、お酒を飲む前に水をたくさん飲んでおくことは、二日酔い予防効果が期待できます。

酒の種類・量

二日酔いになるかどうかは、アルコールの摂取量によって決まります。しばしば、色々な種類のお酒を飲む「ちゃんぽん飲み」が二日酔いを引き起こすと言われていますが、これは複数の種類のお酒を同時に飲むことが原因なのではなく、複数種類のお酒を飲むと自分がどの程度の酒量を摂った分からなくなり、飲みすぎてしまうことが原因です。

一般的なお酒の種類とアルコール含有量としては、ビールが5%、ワインが14%、日本酒が20%、焼酎が25%です。
肝臓が分解できるアルコール量は一時間当たりで、体重1kgにつき0.1gとされています。二日酔いをしないためのアルコール摂取量は、飲み終えてから翌朝の起床までの時間を考慮して、自分の体重やお酒の種類によってどの程度までなら飲めるのかを決めるとよいでしょう。

また、お酒の中には酸化防止剤やエタノールなどの不純物が含まれているものがあり、これらが原因となって悪酔いが生じることもあります。お酒はなるべく不純物が含まれていないものを選ぶようにしましょう。

迎え酒はあり?

いわゆる「迎え酒」には、二日酔いを改善させる効果はありません。体内のアルコールが抜けるまでの時間が長くなるだけで、むしろ症状を悪化させてしまいます。また、迎え酒は、アルコール依存症の典型的なステップになります。迎え酒はしないようにしましょう。

飲んでるときの対策

その他、二日酔いを防ぐ方法には、以下のようなものがあります。

  • お腹が空いているときには、お酒を飲まないようにしましょう。食べることで、アルコール吸収速度を遅くすることができます。
  • ゆっくりとしたペースでお酒を飲みましょう。喉が渇いているという理由で、お酒を飲んではいけません。体内の水分が、さらに失われるだけです。
  • 休憩を挟みましょう。お酒の間に、ソフトドリンクや水を飲みましょう。
  • お酒を飲む量の限度を決めて、それを守りましょう。

二日酔いの頭痛におすすめの市販薬

頭痛薬・鎮痛薬

二日酔いによる辛い頭痛はロキソニン®やイブ®、バファリン®、カロナール®などの市販の頭痛薬で改善することができます。
ロキソニン®やイブ®、バファリン®などは有効成分としてアスピリンやイブプロフェンを含むもので、カロナール®はアセトアミノフェンを含みます。一般的にロキソニン®やイブ®、バファリン®などはカロナール®よりは効き目は強いですが、胃の粘膜に負担をかけることが多く、胃薬と一緒に服用することがすすめられています。

漢方薬

漢方薬は二日酔いの頭痛に対して改善効果を持つものがあります。
最も有名なものは、五苓散とよばれるものであり、頭痛の他にもむくみやのどの渇き、嘔吐にも効果があるとされています。また、肝臓でのアルコール分解を促進する黄連解毒湯も二日酔いの諸症状を早めに改善する効果が期待できます。

しかし、漢方は独特の味があり、二日酔いで吐き気があるときは服用するのが困難なこともあるでしょう。飲んだ直後に嘔吐してしまっては意味がなく、また嘔吐によって食道の粘膜にダメージが加わることもあります。二日酔いで漢方を使用するときは、吐き気があるかどうか、服用した後に嘔吐しそうかどうかを見極めてから服用するようにしましょう。

おわりに:二日酔いの頭痛を防ぐのに大事なことは、水分補給と適量を守ること

二日酔いの頭痛を防ぐには、まず二日酔いにならないようにすることが大切です。お酒を飲む前には水分を十分にとっておき、お酒を飲んでいるときにもこまめに水を飲むようにしましょう。また、適量を守るためにも、お酒の種類別のアルコール含有量を気にしながら飲むようにしてください。
もし二日酔いになっても、ただの二日酔いであれば基本的には水分をとって安静にしていれば治ります。適切な水分補給と栄養補給を心がけ、様子を見ましょう。

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