食物繊維には水溶性と不溶性がある!それぞれの特徴をご紹介

2018/10/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

便秘改善に良いとされる「食物繊維」には、「水溶性」と「不溶性」の2種類があることをご存知ですか?今回はそれぞれの食物繊維のもつ特徴や多く含まれる食べ物、そして食物繊維をうまく日々の食生活に取り入れるコツなど、幅広い情報をお伝えしていきます。

食物繊維ってどんな栄養素?

食物繊維とは、炭水化物に含まれている消化吸収されずに残る成分のことです。「第6の栄養素」とも呼ばれています。

食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。不溶性食物繊維は水に溶けにくく、腸の働きを活発にします。一方、水溶性食物繊維は水によく溶け便を軟らかくする働きをします。

食物繊維は便秘に効果があることはよく知られていますが、その他にも、心筋梗塞や糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立つことが近年判明しています。

水溶性食物繊維ってどんなもの?

水溶性食物繊維には、ネバネバとした粘着性と水に溶けやすいという特徴があります。保水性も高いので、便を軟らかくしてスムーズな排便を促します。糖質の吸収を緩やかにするので、食後に血糖値が急激に上昇することを抑えてくれる働きもあります。

また、食物繊維は大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などの善玉菌が増えて腸内環境がよくなります。不規則な生活や精神的ストレスが原因で引き起こされる「けいれん性便秘」の解消にも役立つでしょう。

水溶性食物繊維には、難消化性デキストリンやポリデキストロース、大麦βグルカンなどあります。水溶性食物繊維を多く含む代表的な食品は以下の通りです。

  • 昆布やわかめなどの海藻類
  • 里いもなどのいも類
  • 大麦やオーツ麦などの穀類
  • 納豆などのネバネバした食品
  • 熟した果物
  • 野菜
  • きのこ
  • こんにゃく

なお、こんにゃくは、原料であるこんにゃく芋は水に溶けますが、食用のこんにゃくになると不溶性食物繊維に変わります。

不溶性食物繊維ってどんなもの?

不溶性食物繊維は、水分を吸収すると膨らんで便のカサを増し、腸を刺激して動きを活発にし、便通を改善します。有害物質を排出する働きもあるため、大腸がんの予防にも効果があります。繊維質なのでよく噛む必要があり、食べすぎを防いだり、あごの発達を促してくれます。

不溶性食物繊維も腸内で発酵・分解されるとビフィズス菌が増殖し腸内環境が良くなりますが、水溶性食物繊維ほどではありません。また、摂りすぎると逆に便秘を悪化させる原因となりますので、注意が必要です。
不溶性食物繊維を多く含む食品は次の通りです。

  • ごぼうやたけのこなどの野菜
  • 玄米や小麦ふすまなどの穀類
  • いんげん豆や大豆などの豆類
  • きくらげやえのきなどのきのこ類
  • ココア
  • カニやエビの殻
  • 水に溶けにくい繊維質

熟していない野菜やこんにゃくも不溶性食物繊維が多く含まれています。

食物繊維を食生活に取り入れるコツは?

食物繊維を多く含む食品は、和食との相性が抜群です。和食にはきんぴらごぼうのように根菜を多く使うものや、ひじきの煮物などの海藻をつかった料理がたくさんあります。大豆やおからなど、豆類も多く摂りいれることができ、食物繊維を効率的に摂ることができます。食物繊維を多く摂るためには、1日1回は和食にするとよいでしょう。

また、具だくさんの料理も手軽に食物繊維を取り入れることができます。みそ汁はどんな具でもあうので、さまざまな具を入れてみるのもおすすめです。寒い時期であれば、野菜をたっぷり使ったなべ料理もいいでしょう。ご飯ものでは、雑炊や混ぜご飯も具を多くすれば食物繊維をたくさんとることができます。

さらに、普段からご飯を玄米や発芽玄米にしたり、全粒粉やライ麦をつかったパンにするのも良い方法です。最近は、パンの未精製の穀類を使ったパンの種類も豊富なので、自分の好みの者も見つけやすいでしょう。

ただし、食物繊維入りのサプリメントや飲料を多量に摂りすぎると、必要な栄養分の吸収を邪魔してしまいます。胃腸を炒めてしまう原因にもなりますので、サプリメントや飲料を摂取するときには、決められた量を守るようにしてください。

おわりに:食物繊維は水溶性も不溶性も上手にバランスよく摂ろう

食物繊維は腸内環境を整え、便秘の解消に役立つ栄養素のひとつです。糖尿病などの生活習慣の改善にも一役買っています。より多くの食物繊維を摂り入れるためにも、普段の食事から少し意識してみましょう。一人暮らしや不規則な生活を送っていても大丈夫です。今は、スーパーやコンビニで売られている総菜も健康に気を使ったものが多く、食物繊維が豊富なものもあります。水溶性と不溶性の特徴に気を付けながら、両方をバランスよく上手に摂り入れるとよいでしょう。

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