頭痛を治すために!? 頭痛の予防的治療とは?②

2017/8/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

前回の記事では、頭痛を治すために原因を探る検査についてを中心にお伝えしました。頭痛の専門科を含めた多くの専門家が集まって患者を治療する「集学的」治療法というものもありました。今回は、頭痛を治すための予防的治療法について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

頭痛の予防的治療とは?

頭痛の予防的治療には2つの方法があります。1つ目の方法は、頭痛の原因となる刺激に対する感度を薬で下げる方法です。もう1つの方法は、頭痛の発生源に到達する刺激を減らすことに焦点を置く方法です。

ただし、薬には副作用があるため薬による治療には注意が必要です。

さらに、一次性頭痛を予防するために薬を使用しても、効果的がないことが多いです。もし、頭痛が発生する原因がわかっているのなら、その原因を避けたり対処しようと努める方が良いでしょう。一次性頭痛を持つ人の多くが、薬を使わない頭痛の予防・対処方法で頭痛を改善できるといわれています。

痛みの原因を探る最良の方法は、「集学的」(チームで行う)治療法といわれています。頭や首は複雑で繊細な構造をしていて、これら全てが頭痛の発生プロセスに関連している可能性があります。しかし、構造の複雑さゆえに、総合的な評価や診断を下すために必要な知識を、一人で全て持ち合わせる臨床医や専門家が少ないようです。

そのため、頭痛治療を専門とする医師からの助言を組み合わせ、身体に関するより総合的な情報に統合する必要があります。これにより、全ての要因に対処するための、チームとしてまとまった治療計画を立てることが可能になるといわれています。

頭痛を治すライフスタイルとは?

目新しいことではなく、当たり前と思われるような行動の中に、頭痛の原因を取り除き、頭痛を予防するのに役立つものがあります。それは、ストレスを軽減するためにライフスタイルを変えることです。ストレスが軽減されるだけで頭痛が予防できるケースも少なくありません。しかし、実際には、ストレス軽減のためにライフスタイルを変えることはできない人がほとんどでしょう。

頭痛持ち人の中には、特定の状況や習慣になっている行動パターンが、頭痛の原因になっていることに気づいている人もいます。

頭痛の原因となる特定の食べ物や、香水、タバコなどの化学混合物を避けることで、頭痛をコントロールできる場合があります。

定期的な運動、過度のカフェインやアルコール摂取の回避、禁煙や十分な水分補給など、生活習慣の改善は、頭痛改善効果だけでなく、その他の健康効果にも期待できます。

また、頭痛日記をつけることで頭痛の原因を特定し、治療の有効性を評価することも、頭痛改善に役立つでしょう。

頭痛を治す予防薬とは?

頭痛の予防薬は、毎日服用することで、頭痛の発生を初期の段階で防ぐ効果があります。ただし、予防薬といっても副作用はあります。必ず医師の指示通りに服用しましょう。

おわりに:頭痛を治療するために根本的原因を治療しよう

二次性頭痛に関しては、根本の原因はほかの疾患にあります。その場合は、その原因となる疾患の治療が必要です。また、一次性頭痛の場合は、ライフスタイルを変えることで、良い方向へ進むでしょう。頭痛が我慢できない方は、まず、頭痛外来などの病院を受診することをオススメします。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

頭痛(190) 治す(9) 頭痛の原因(4) 痛みの由来(1) 集学的治療法(1)