妊娠初期の頭痛が辛いけど、薬は飲まないほうがいい?

2017/8/10 記事改定日: 2018/3/14
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

妊娠初期はつわりや胸の張りなどさまざまな症状を経験しますが、その諸症状のひとつに「頭痛」があります。
今回は妊娠初期の頭痛の原因と解消法をお伝えしていきます。

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妊娠初期に頭痛が起こる原因は?

妊娠中の頭痛のほとんどは片頭痛で、症状が出る時期は人によって異なりますが、妊娠4~5週ごろから頭痛に悩まされることが多いようです。
妊娠初期に頭痛が起こる原因としては、以下のようなことが考えられます。

〈1〉ホルモンバランスの変化

妊娠すると、胎盤を形成するために女性ホルモンの一種である「プロゲステロン」の分泌量が増えます。
これは、赤ちゃんが成長する上で大切なプロセスなのですが、「プロゲステロン」が急に増加することでホルモンバランスが乱れてしまいます。ホルモンバランスが乱れると自律神経がうまく働かなくなり、血管の拡張や収縮が正常に働かないことで頭痛が起きてしまうのです。

〈2〉鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血が頭痛の原因になている可能性もあります。
妊娠するとお腹の赤ちゃんを成長させるために血液の量が妊娠前よりも増加しますが、増加した血液の分も赤血球をつくらなければならないため、鉄分が不足して貧血になることが多いです。

〈3〉脱水症状

つわりで嘔吐を繰り返したり食事の量が極端に減ってしまうと、水分が不足して脱水症状に陥ることがあります。脱水症状を起こすと血液中の水分量が減って血液の粘度が高くなるため、血液循環が悪くなって血管が拡張してしまいます。そうすると拡張した血管が神経を刺激し、頭痛を引き起こします。

〈4〉妊娠によるストレス

妊娠による体調の変化は大きなストレスとなります。
ストレスによって血行が悪くなったり体が冷えたりすると、筋肉が固まって肩や首のこりを引き起こし、頭痛につながりやすくなります。

妊娠初期の頭痛・・・薬は飲まないほうがいい?

妊娠初期(0~14週未満)は赤ちゃんの体が形成されている大切な時期なので、胎児への影響が懸念されるので薬の服用はできるだけ避けるのが望ましいです。
特に頭痛などの症状が現れ始めることの多い妊娠4~7週目は最も赤ちゃんが過敏な時期にあたるため、なるべく薬は飲まないようにしましょう。

ただし、痛みが強くて日常生活に支障がでているような場合は医師から頭痛薬が処方されることもあります。頭痛薬の有効成分としては、アセトアミノフェンが妊娠中の服用でも一番安全といわれていますが、100%安全と言い切れるわけではありません。服用前は必ず医師に相談し、適切な用量・用法を確認してください。
自己判断での服用は絶対にやめましょう。

妊娠初期の頭痛の解消法について

妊娠中の頭痛は、頭痛薬を飲む代わりに以下のような方法で解消できる可能性があります。

〈ストレスを解消する〉

妊娠中は体の変化やホルモンバランスの変化などによって、そうでないときに比べてストレスを受けやすくなっています。自分がリラックスできるストレス解消法を見つけ、できるだけストレスをためないように工夫しましょう。

〈水分補給をする〉

つわりによる脱水症状が原因となって頭痛が引き起こされている可能性もあります。
つわりがあると飲み物も飲みたくないというときもあるかもしれませんが、少量ずつでも良いので水分をできるだけとるように心がけましょう。水分補給にはカフェインの含まれていない水やルイボスティー、ハーブティーなどを選ぶのがおすすめです。

妊娠初期の頭痛に伴う諸症状について

妊娠初期にはホルモンバランスの崩れなどいろいろな原因で脳の血管が拡張して神経を刺激しますが、そのときに嘔吐中枢も刺激を受けてしまうと、頭痛とともに吐き気があらわれることがあります。(※嘔吐中枢とは、脳幹内に存在する吐き気などの症状をコントロールする中枢です)

また、つわりの症状のひとつとして寒気が現れることがあります。これは妊娠中は胎盤を形成するために体温が高くなることで、外気との差を大きく感じるようになるからです。

おわりに:薬の服用はできるだけ避けましょう

妊娠初期は母体にも頭痛をはじめとしたさまざまな変化がおこりますが、赤ちゃんの体が作られていく大切な時期です。
市販薬の服用は避け、症状が辛い場合は病院で診察を受けるようにしてください。

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