BCGワクチンを受けるときの注意点とは!?

2017/2/2 記事改定日: 2018/8/7
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

BCGワクチンとは、結核を予防するワクチンであり、日本では定期接種となっています。BCGワクチンを受けるときには、どんなことに注意すればいいのでしょうか。
スケジュールや副反応など、BCGワクチンの基礎知識を紹介していきます。

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BCGワクチンとは?

結核は、結核菌によって発生する感染症です。肺、骨、関節、腎臓などに影響することもあり、重度では髄膜炎を引き起こすこともあります。

BCGワクチンは弱毒化された結核菌から作られています。BCGワクチンの結核菌は効力が弱いので、結核に対する予防のための免疫システムを生み出し、実際に病気にかかることなく強い免疫を得ることができます。

日本ではBCGワクチンは定期接種です。生後5カ月~8カ月のあいだに1回の接種を受けることを「努力義務」としています。生後1歳までの接種で、小児の結核の発症を52~74%、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては、64~78%の罹患リスクを減らすことができるとされています。

BCGワクチンを受けるにはどうすればいい?

BCGワクチンは小児の定期接種に指定されているワクチンであり、1歳の誕生日を迎えるまでに1回接種することになっています。
接種時期は実施する自治体によって異なりますが、多くは生後5か月から7か月頃に接種することが推奨されています。
しかし、この時期はヒブや肺炎球菌、四種混合ワクチンなど多くの予防接種が重なる時期です。自治体によって異なりますが、個別接種の場合はこれらのワクチンとの同時接種を行って他のワクチンの打ち忘れや遅れが出ないようにしましょう。また、集団接種で同時接種が行えない場合には、不活性ワクチンのヒブや肺炎球菌、四種混合ワクチンなどを先に接種して2週間経過してからBCGを受けるのがいいでしょう。

BCGワクチンに副作用はありますか?

BCGワクチンは、腕の上部に注射することで投与されます。接種をすると、たいていの場合小さな跡が残りますがこれは問題ありません。

まれに以下のような副作用がみられることがあります。接種後、1%以下に局所の潰瘍(かいよう)やリンパ節の腫脹(しゅちょう)、また発生頻度は不明ですが、接種後にアナフィラキシー、全身播種性(はしゅせい)BCG感染症、骨炎・骨髄炎、皮膚結核様病変などが発生したという報告もみられます。

コッホ現象

コッホ現象とは、知らず知らずの内に結核に感染している人がBCGを接種した場合、接種後7~10日までに接種した部位に発赤やしこりができて化膿したり、熱感が生じる現象のことです。
これは、一種のアレルギー反応と考えられており、副反応ではなく結核に感染している可能性があるため速やかにワクチンを接種した医療機関を受診するようにしましょう。

成人にBCGワクチンは必要?

BCGワクチンは、成人にはあまり効果がないため16歳以上では接種されることは滅多にありません。しかし、医療従事者のように仕事を通して結核になる可能性がある16~35歳の成人では、BCGワクチン接種が必要なことがあります。

おわりに:他の予防接種とのスケジュールを確認し、忘れずに受けるようにしよう

BCGワクチンは、生まれてすぐ受ける定期接種です。子供がかかる結核性髄膜炎などの深刻な結核の予防に70~80%効果があるとされています。大切な子供を結核菌から守るために忘れずに受けてくださいね。

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