記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/8/16 記事改定日: 2020/1/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
アレルギー性結膜炎の一種に巨大乳頭結膜炎があります。コンタクトレンズを使用している人が多く発症する結膜炎なのですが、予防や治療はできるのでしょうか?
この記事では、巨大乳頭結膜炎の症状や原因、治療法について解説していきます。
巨大乳頭結膜炎はアレルギー性結膜炎の一種で、管理が行き届いていないコンタクトレンズに付着しているタンパク質などに対してアレルギーが生じることがおもな原因と考えられています。
通常のアレルギー性結膜炎と同じく、目のかゆみや充血、目やになどの症状が現れますが、コンタクトレンズの着用を続けていると瞼の裏側の結膜にボツボツとした大きな凸凹が形成されるようになります。
また、目のかゆみなどの症状が悪化すると、コンタクトレンズを装着した際の違和感なども強くなっていき、大きくなった瞼の裏の凹凸が角膜を傷つけて視力障害を引き起こすこともあるので、発症した場合は完全によくなるまでコンタクトレンズの装着を中止する必要があります。
巨大乳頭結膜炎のおもな原因は、コンタクトレンズの汚れに対するアレルギー反応です。
これは、
ことで発症すると考えられています。
巨大乳頭結膜炎は、ハードレンズよりもソフトレンズに発症例が多いです。目の中には細菌が存在していますが、ソフトレンズはそうした細菌や汚れなどを吸収してしまう性質があります。
ソフトレンズは扱いやすいという利点はありますが、使い捨てではないソフトコンタクトレンズを使っている場合は、こまめにケアをしないと汚れが溜まってアレルギー反応が起こりやすくなるので注意が必要です。
巨大乳頭結膜炎の治療では、アレルギー反応を抑えるためのステロイド薬入りの目薬が使用されます。多くのケースでは治るまでに一か月ほどかかるとされ、重症な場合には目薬だけでなく、ステロイド薬の飲み薬が使用されることも少なくありません。
また、上でも述べた通り、治療中はコンタクトレンズの装着はできないので注意しましょう。
巨大乳頭結膜炎を予防するには「コンタクトをしない」ことが一番ですが、それができない場合もあるでしょう。
使い捨てレンズ以外を使っている場合は、毎日のケアが重要になってきます。コンタクトレンズの使用方法を見直し、正しい方法で使用するようにしてください。
使い捨てのコンタクトに変更することも予防につながるので、検討してみてもいいでしょう。
また、巨大乳頭結膜炎はアレルギーを持っている人に起こりやすいので、花粉症シーズンなどアレルギー症状が起こりやすいときだけでもコンタクトからメガネに変更したり、部屋の清掃など、花粉対策やハウスダスト対策を徹底することで、リスクを減らすことができます。
巨大乳頭結膜炎は適切な対処ができれば重症化することはほとんどありませんが、発症しているのにお手入れが十分でないコンタクトを使用続けたりすると重症化して、視力が極端に低下することもあります。
目の異常があるときはすぐにコンタクトの使用を中止し、早めに眼科を受診しましょう。