記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/2/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
どうしたら、「しあわせ」になれますか?
お金?ステイタス?モテる容姿?
資本主義の物質社会に生きるわたしたちは、
回りの人と比較し、「持つ」「持たない」という現実から逃れることができません。
SNSでよく見かける炎上を呼ぶ馬鹿げた行為も、
歪んだ自己承認欲求の発露であり、
他人に認めて欲しい、注目されたい、そして「しあわせ」を味わいたという魂の叫びです。
この「他人」は諸刃の刃。毒にもなれば、薬にもなります。
こじらせれば、気になりすぎて、逃れることのできない無限地獄。
しかし、「しあわせ」を感じ、
ポジティブに生きるためのカギも、この「他人」です。
「他人のために何かしてあげることは良いことである」ということに、ほとんどの人は、同意するでしょう。
また、それだけでなく「他人のために何かする」ことで精神的な健康を向上させることができます。
地域のボランティア活動など、他の人、あるいはより多くの人に対する、“ちょっと”やさしい行為は、人の心に目的意識を芽生えさせ、より幸せになり、より人生に満足できるように導きます。
資本主義の物質社会に生きるわたしたちは、自分が手に入れたもの、たとえば収入、不動産、車、仕事、地位といったものがあれば、「しあわせ」であると考えがちです。
しかし、研究結果によれば、「持っている」ものではなく、「していること」「考えていること」が精神的な健康にとって、最も大きな鍵になることが示されています。
ポジティブな精神状態とは、周囲の人間と関わるなかで、心地よさを感じ、前向きな意志で人生を生きようとする状態です。
周囲の人間である「他人」との関わりなしに、ポジティブな感情は生まれません。他人を助け、支援し、共通の目標に向かって進むことは、精神面に多大なプラスの作用をもたらします。
何かをしてあげる行動、そして、親切な行動が、大小関わらず、研究では、精神面にポジティブな影響をあたえるということが示されています。
他人にプラスになる何かしてあげ、喜んでもらうことは、ポジティブな感情を生み出す脳の報酬領域を強く刺激します。
他人を助け、役に立ったと感じることで、目的意識と自己尊厳を満たしてくれます。
また、建設的に他人と関わることで、人間関係は強化され、新しい関係の構築にも役立ちます。
何かをしてあげる、何か役に立つ、ということは、些細なことから困難を伴うことまで、さまざまな形をとります。
たとえば、こんなことができます。
あなたのために、誰かが何かやってくれたら、「ありがとう」と言いましょう。
サポートが必要な家族や友人に積極的に救いの手を差し伸べましょう。
同僚に調子を尋ね、よく話を聞いてあげましょう。
荷物やベビーカーで困っている人がいたら、手を貸すことを申し出てみましょう。
他人に何かしてあげる、役に立つ、そして感謝されるということは、精神的な幸福を得るための大きな要因になります。
家族のために、
恋人のために、
友人のために、
そして、
誰かのために。