記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/15 記事改定日: 2019/5/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
免疫という言葉は聞いたことがありますよね。病気から体を守る力が免疫力ですが、どのような仕組みで働き、体を守っているのでしょうか。この記事では、免疫の働きと免疫力を高める方法について説明していきます。
免疫とは文字通り「病気を免れる」ことです。体の外から入ってくる細菌やウィルスなど、ほかにも体内にあるがん細胞などを攻撃し、排除し、私たちの体を守ってくれます。
免疫力が高いと、風邪やインフルエンザ、生活習慣病、がんの予防しやすくなります。しかし、免疫のバランスが崩れると、アレルギーを起こしたり、正常な組織まで破壊するようになり、心身に不調をきたしてしまうのです。
免疫は、血液中に存在する「免疫細胞」によって司られています。
体内に細菌やウイルスなどの病原体が侵入すると、免疫細胞の一種がそれを感知し、病原体を攻撃する抗体が産生されます。抗体に攻撃された病原体は病原性が低下するため、身体に及ぼす悪影響を抑えることが可能です。
また、免疫細胞には抗体を産生せずに細胞そのものが異物を貪食する働きを持つものもあります。これらは、体内に侵入した病原体だけでなく、がん細胞なども攻撃する作用があります。
その他、ヒトののどや鼻の粘膜には呼吸などで体内に刺入した病原体をキャッチして排出する作用を持つ「線毛」と呼ばれる構造が密生しています。この「線毛」も免疫を維持する大切な働きを担っていると考えられます。
免疫機能は、自律神経と大きく関係し、免疫細胞と様々な免疫物質とがバランスをとりながら、自己と非自己(異物)を認識し、適切な攻撃を開始、終了しています。しかし、免疫機能が低下、免疫物質のバランスが崩れると体に様々な問題が起こります。
免疫機能の低下・バランスを崩す原因には下記のものがあります。
免疫を正しく働かせるには、免疫のバランスを正しく保ち、種々の免疫細胞や線毛などを正常に機能させる必要があります。そのためには次のような対策が有用です。
免疫は、自然免疫と獲得免疫の2段構えで体を病気から守っています。この大切な免疫力を高めるためにも、日常生活を見直して風邪やアレルギーにも負けない体作りに励んでください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。