血糖値スパイクの症状とは!?どうやって予防すればいい?

2017/8/23 記事改定日: 2018/8/27
記事改定回数:1回

工藤 孝文 先生

記事監修医師

工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来

工藤 孝文 先生

気づかないうちに糖尿病が重篤な状態になっていた…、こんなことが起こったら怖いですよね。しかし、「血糖値スパイク」の状態を見逃し続けていると、それも起こりえるのです。血糖値スパイクとはどんな病気なのでしょうか?

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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血糖値スパイクとは!?どんな症状がでるの?

食後の血糖値が一度急上昇し、そのあと急降下することを「血糖値スパイク」といいます。
血糖値スパイクを起こしやすい人、頻繁に起こす人は2型糖尿病の発症リスクが高く、動脈硬化や心筋梗塞、がん、認知症などを合併するリスクも高まると考えられています。

また、血糖値スパイクは空腹時血糖値が正常値におさまっている糖尿病予備軍や、糖尿病の初期段階の人に多くみられるため放置したままでいると危険です。
通常の健康診断では空腹時血糖値しか計測しないため、血糖値スパイクの兆候にできるだけ早く気づくことが重要になってきます。

血糖値スパイクの兆候

血糖値スパイクは目立った自覚症状がないうえに空腹時血糖のみを見る健康診断では見逃されるケースが多いです。この状態を放置したままでいると糖尿病を発症するリスクが高まります。

以下の項目に多く当てはまる人は血糖値スパイクを引き起こしている可能性があるため、早めに専門医を受診するようにしましょう。

  • 食後に強い眠気を感じることがある
  • 空腹時に動悸や発汗が生じやすい
  • 立ちくらみが起こりやすい
  • 原因不明の頭痛が頻繁に起こる
  • 不安感や焦りを感じることがある

血糖値スパイクが起きる原因とは!?

血糖値スパイクは、血糖値を下げる働きを持つインスリンの分泌量の減少インスリンの働く力の低下が原因となって引き起こされます。

インスリンの分泌量が減ったりうまく働かなくなってくると、食事で摂った糖分が代謝されにくくなり血糖値が急激に上昇します。体は急上昇した血糖を下げようとするので、インスリンが一時的に大量分泌され血糖値の急降下が生じるのです。

インスリンの分泌量は遺伝による要因が大きく関与していますが、インスリンの働く力に関しては遺伝的な要因以外にも、高脂肪・高糖分の食生活、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣が大きく関わっています。

血糖値スパイクを予防するためには、まず初めに食事や運動習慣などの生活習慣を改善しましょう。

どうすれば血糖値スパイクを予防・改善できる?

血糖値を正常にコントロールし続けるためには、健康な生活習慣と、バランスのとれた食事を摂ることが大切です。

まず、血糖値の上昇するスピードを示すGI(Glycemic Index)値が高い食べ物を控えましょう。オーストラリアのシドニー大学の発表によると、70以上の食品が高GI食品、55〜70の食品が中GI食品 55以下が低GI食品と定義されています。できれば、GI値の数字が60以下の食品を選びましょう。
GI値が高い食品と低い食品を以下で紹介するので、毎日の献立に役立ててください。

GI値が高い食品
食パン、白米、もち、そうめん、インスタントラーメン、パスタ、とうもろこし、かぼちゃ、にんじん、パイナップル、アイスクリーム、アンコ、ドーナツ、フライドポテト、カステラ、チョコレートなど。
GI値が低い食品
おかゆや玄米、そば、全粒粉パン、さつまいも、しいたけ、なめこ、タケノコ、春菊、ピーマン、キャベツ、桃、バナナ、キウイ、レモン、牛肉、豚肉、鶏肉、エビ、イカ、ししゃも、牛乳、納豆、ひじき、もずく、プリン、緑茶、日本酒などとなります。

おわりに:気になる症状があれば、早めに専門医に相談を

眠気や疲れ、イライラなどは日常的に起こることではありますが、隠れ糖尿病などから起こる血糖値スパイクの可能性があります。通常の健康診断で受ける空腹時血糖値検査では見つけられないことが多いので、気になる症状がある方は早めに専門医に相談しましょう。

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