記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/18 記事改定日: 2018/8/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食後や空腹時にがまんできない眠気におそわれるのは、何か病気が隠れているかもしれません。
この記事では、血糖値の影響で起こる眠気について解説していきます。糖尿病や低血糖症を見過ごさないためにも、きちんと理解しておきましょう。
食後や空腹時に眠気が生じるのは、一時的に低血糖状態となって脳の活動に必要なブドウ糖の不足が原因となることがあります。
食後、急激な血糖値の上昇が生じると、その上昇を抑えようとして体内では血糖値を下げる作用のあるインスリンが大量に分泌されます。その結果、血糖値が過度に低下して一時的に低血糖状態になることがあるのです。
食後の眠気は血糖値の一時的な低下以外にも、睡眠不足や体内時計リズムのズレなどが原因で生じることがあります。このため、食後に眠気があるからといって必ずしも糖尿病を発症しているわけではありません。しかし、糖尿病の初期症状である可能性もあるため、注意が必要です。
糖尿病では他にも、疲れやすさや頻尿、足のしびれなどの症状が現れることがあります。また、食後2時間での血糖値は140mg/dL未満が正常とされており、200mg/dL以上になると糖尿病と診断されます。思い当たる症状のある人は、インターネットや薬局で購入できる検査キットを使用して食後の血糖状態をするセルフチェックしたり、病院を受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
血糖値が基準値よりも低くなることを低血糖と呼び、血糖を上げようとするホルモンの作用で、ふるえや動悸が起こります。糖が不足するため、脳へのエネルギー不足となり、異常な眠気をもよおし、ひどいときには意識低下や昏睡状態に陥ることもあるのです。
低血糖症の発症要因にはさまざまなものがありますが、糖尿病が原因になることもあります。
一般的には低血糖症状があってもなくても血糖値が70mg/dLより低い場合や血糖値が70mg/dLより高くても低血糖症状のある場合は、低血糖とみなされます。
低血糖の代表的な症状は以下の通りです。
血糖値に関わる眠気を抑えるためには、まず血糖値の上昇によるものなのか、低血糖によるものなのかを調べる必要があります。もし糖尿病や低血糖症が原因であるなら、早期に治療を始める必要があります。
糖尿病は血糖コントロールが治療の基本です。毎日決まった時間に血糖値を計測し、食事療法と運動療法を中心に治療を進めていきます。
低血糖の場合も、どのようなときに低血糖になるのか血糖値を管理する必要があります。
いずれにしても、医師の指示のもと治療を進めていく必要があるので、自己判断せず必ず病院を受診しましょう。
病院を受診して糖尿病や低血糖症までいかないとわかった場合、特に治療の必要はありませんが、血糖値の急上昇や急低下を放置すると糖尿病や動脈硬化などを発症するリスクが高くなります。このため、安定した血糖値を維持できるように生活習慣を見直す必要があります。
特に食事は最も注意しなければならない生活習慣です。適正カロリーを守って、高脂肪・高脂質・高塩分のメニューを避け、和食や野菜中心のメニューを選ぶようにしましょう。また、できるかぎり三食規則正しい時間に摂ることをこころがけましょう。
その他にも、適度な有酸素運動を行う、しっかり休息を摂る、睡眠不足を避けるなどの生活習慣を心がけるようにして下さい。
食後や空腹時にひどい眠気におそわれるのは、糖尿病や低血糖症の影響かもしれません。放置して重症化すると、命にかかわることもあります。
ひどい眠気が続く場合は、自己判断せず必ず病院で検査してもらいましょう。
そして、血糖値の急激な変化を防ぐために、生活習慣を見なおしてください。
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