記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
物を食べたり、会話をしたりなどで、毎日常に使っているのが口です。しかし、口角炎になってしまったら、痛くて何もできなくなってしまい、気分も憂うつになりますよね。口角炎が治りにくい原因や治療法について解説します。
口角炎とは、免疫力の低下によって、カンジダ菌などの常在菌が過剰に繁殖し、口角(口の両端)に炎症が起こる皮膚疾患です。赤みや亀裂が生じ、腫れて熱を持ったり、びらんを伴うなどの症状が現れます。
口をあけるたびに亀裂部分が痛み、食べる物がしみたりするため、物を食べることもままならなくなることも多く、亀裂からは出血を起こし、そのあとかさぶたになったり、白い点のような粒が現れることもあります。また、いつも使う部分だけに、口角炎のかさぶたははがれやすいです。
口角炎は、ほとんどの場合、数日程度で治りますが、一度発症すると再発しやすいという特徴があります。
口角炎で口角に一度亀裂が入ってしまうと、食事や会話などで口を使うたびに治りかけていた亀裂が繰り返し切れてしまうため、治りにくくなってしまいます。
また、口を使うことによって口角炎のかさぶたは常にはがれやすい状態となってしまうことも一因と言えるでしょう。
しばらくの間はなるべく口を使わない、舌で触らないようにするなどの注意が必要です。
口角炎の原因として、日頃の不摂生やビタミン不足などが挙げられます。不摂生な生活を続ける限りは、口角炎や口内炎の再発を繰り返すことになり、なかなか治らないといった状態が続くことになるでしょう。
さらに、患部は清潔に保っておく必要がありますが、見た目が気になって洗浄しすぎてしまうと、口の中の善玉菌まで洗浄されていなくなってしまい、カンジダ菌などの悪玉菌が増える原因となってしまうため注意が必要です。
口角炎の治療は内科、もしくは皮膚科、口腔外科で行なってくれます。
発症初期で、比較的軽症の場合は、患部を清潔にした後、ワセリンなどの保湿剤を塗って保護するように指示されることが多いです。ただし、炎症が強い場合は改善しない場合があります。このようなときは、ステロイド薬が塗布されます。
また、原因によって処方される薬も変わってきます。カンジダなど、真菌感染がある場合は抗真菌剤外用を、ブドウ球菌などの細菌感染があれば抗菌剤外用となります。
なお、ステロイド薬は、使いすぎるとカンジダ菌を増やしてしまう場合があるため注意が必要です。
前述のように、口角炎の原因として考えられるのは、ビタミン不足、そして、日頃の不摂生やストレスです。再発を防ぐためには、自分の生活習慣を改め、栄養バランスのとれた食事を摂ることが重要となります。
ビタミンとしては、ビタミンB2とB6を摂ることが有効でしょう。豊富に含まれている食材は、うに、いくら、焼きのり、納豆、卵、うなぎ、にんにく、さば、ごま、レバー、モロヘイヤなどになります。
また、ステロイドなど、薬物による治療を繰り返しているうちに自律神経に乱れが生じ、それが再発の原因となることもあります。医師のほうからも、食事内容を含めた生活指導がされると思いますので、指導に従ってください。
笑顔をつくることもままならなくなる口角炎は日常生活や仕事にも大きく影響することもあり、できれば再発は避けたいものです。病院で治療することももちろん有効ですが、根本的な生活習慣、食習慣の見直しも心がけましょう。