記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/20 記事改定日: 2017/9/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
皮膚がんの原因で最も多いのは「日焼け」だという事実、あなたは知っていますか?
「日光は身体にいい」とよく聞くかもしれませんが、太陽は有益な光だけでなく、有害な紫外線も放ちます。
紫外線を浴びて日焼けし続けると、皮膚細胞ががん化することがあるのです。
今回は、実際に日焼けが原因で皮膚がんになってしまった女性の体験談をお届けします。
「16歳から26歳まで、私は日焼けが趣味だったので毎年海に通っていました。
海に行くと、最初の数日間はSPF25の日焼け止めを塗っていたのですが、2週間目には『もっと小麦色の肌にしたい!』と思って、オイルを塗るようになりました。
ある年のことです。
ふとつま先を見たら不思議な形のほくろがあることに気づいて、念のために病院に行きました。
私の体にはたくさんほくろがあったので、大したことはないだろうと思っていたのですが、お医者さんには『このほくろには注意したほうがいい』と言われました」
「病院で警告をされた翌年の、夏のことでした。今度はそのほくろがおかしな色になっていたんです。
お医者さんに言われてすぐに専門医を受診したところ、すぐさま手術室に連れて行かれて、ほくろを取り除くことになりました。
手術が終わって帰宅してから、足を休めていたのですが、このとき私はなにも心配していませんでした。
まだ26歳だったので、まさかがんだなんて思いもしなかったんです」
「手術から10日後、私の人生を変える電話がありました。お医者さんから、『ほくろは悪性黒色腫。侵襲性の皮膚がんです』と伝えられたんです。
腫瘍の深さが1mm以上であればほかの部位に転移している可能性があったため、私は病院に行き、太ももの一部を切り取ってリンパ節を調べることになりました。
すべてのがんが切除されたかがわかるまでには2週間かかりましたが、私は化学療法なしですべての悪性細胞を取り除くことができました」
「私は信じられないほど幸運だったと思います。もしがんが早期に発見されなかったら、肝臓や脳などにも転移して、もうこの世にいなかったかもしれません。
昔の日焼けをしている自分の写真を見ると、『なんて私は馬鹿だったんだろう』と思います。
太陽を浴びるときは、本当に細心の注意を払わなければなりません。
私はあの一件以来、長いズボンと長袖シャツと帽子で常に皮膚を覆うようにしています。
私からみなさんへお伝えしたいのは、
とにかく『日光から離れること』の大切さ。
肌を安全で健康的に保つには、これが一番重要です」
この女性はほくろの違和感で皮膚がんに気づくことができましたが、実際、皮膚がんの兆候はほくろに現れるケースが多いようです。
・ほくろが急に大きくなった
・ほくろが変形、変色した
・ほくろから出血した
など、ほくろに変化が見られた場合はすぐ医師に相談してください。
いかがでしょうか。毎年の海水浴や日焼けが趣味の人は、「私には関係ない」と思わずにしっかり日除けをし、気になる症状が出たらすぐに病院を受診するようにしてください。早期発見であればあるほど、皮膚がんは治癒率が高いです。