記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
赤ちゃんに湿疹ができたときは、乳児湿疹かもしれません。乳児湿疹はほとんどの赤ちゃんに起こるもので、その原因は母乳の可能性もあるとされています。今回は乳児湿疹と母乳の関係について解説します。
乳児湿疹とは、生後2週間ごろから発生する湿疹の総称のことであり、顔や体、手足などにカサカサ、ベタベタ、ジュクジュクといったさまざまな湿疹が起こります。生後6ヶ月頃までの湿疹は、乳児脂漏性湿疹、おむつかぶれ、あせも、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの可能性が考えられ、原因の特定が困難です。多くの赤ちゃんが一度は経験するとされていますが、症状が長引く場合は皮膚科あるいは小児科を受診するようにしましょう。
乳児湿疹の原因ははっきりわかっていませんが、ホルモンバランスの影響で皮脂が過剰分泌され毛穴が詰まることや、皮脂の分泌が落ち着いた後の乾燥が原因ではないかと考えられています。この湿疹を放置してしまうと悪化するため、適切に対処することが重要です。
乳児湿疹の主な原因のひとつとして、母乳に何らかの問題が起こっていることが示唆されています。母乳で赤ちゃんを育てている場合、授乳者の摂取する食事が赤ちゃんの健康状態に深く関係してきます。授乳者が揚げ物、お肉などの脂分の多い食事や、チョコレートやケーキなどの糖分を多く摂取したときは、それらに影響された母乳をそのまま赤ちゃんが摂取することになるのです。また、乳製品や卵などの過剰摂取で母乳にたんぱく質が多く含まれると、赤ちゃんはこれをうまく消化することができずに湿疹が起こることがあるといわれています。
乳児湿疹の症状を改善する方法は以下のとおりです。
通常、乳児湿疹は生後5ヶ月までに自然に治るとされています。湿疹がでている間は、肌を清潔に保つことが大切です。お風呂に入れるときは弱酸性の石鹸を使用し、泡立てネットを使ってたっぷりの泡で優しく洗ってあげましょう。やわらかいガーゼで洗ってもかまいません。
皮脂の分泌が落ち着き乾燥するようになってきたら、低刺激のベビーローションや保湿クリームをこまめに塗り、乾燥を防ぎましょう。
症状が良くならない、またはひどい症状の場合は、皮膚科または小児科を受診しましょう。医師にステロイド外用薬や白色ワセリンを処方された場合は、医師の指示通りに塗ってください。
母乳は赤ちゃんの重要な栄養となります。乳児湿疹の原因が母乳であったとしても、母乳を与えることをやめる必要はありません。健康的な母乳を与えるためには健康的な食事が大切です。脂質が多くないですか? 乳性品の摂り過ぎはありませんか? 今摂っている食事を一度見直してみましょう。
食事は母乳に直接影響を与え、赤ちゃんの健康にも関わります。健康的な母乳を赤ちゃんに与えるため、乳児湿疹を機に食生活の振り返りを行いましょう。