記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/25 記事改定日: 2018/6/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
むずむず脚症候群は脚の奥の方に不快感や違和感が生じる病気です。
高齢者に多い症状ですが、最近では子供にも現われることがわかっています。
この記事ではむずむず脚症候群の治療法と子供と大人の違いについて説明していきます。
むずむず脚症候群をそのままにしておくと心臓や脳血管の病気発症のリスクが約2倍になるといわれています。
これは、むずむず脚症候群の原因が脚ではなく、遺伝性、鉄の欠乏、脳内のドーパミンの不足などにあると考えられているためです。
中でも脳内のドーパミン不足は交感神経の働きを活発にすることで高血圧や脈拍の増加を招くとされているため、心筋梗塞や脳卒中を発症する危険性を高める可能性があります。
また、むずむず脚症候群は夕方から夜にかけて発症することが多く、不眠や睡眠不足による日中の活動性の低下を引き起こす原因になります。
そのため、不安障害やうつ病などの精神的な病を発症するリスクも増えることが明らかになっています。
症状に悩んでいるならば、早めに病院で治療を受けた方が良いでしょう。
むずむず脚症候群は日常生活を見直すことで改善が期待できます。
以下にその方法をご紹介します。
カフェインやアルコールは症状を悪化させる原因となります。
また、睡眠の妨げにもなります。
夕方以降の摂取はできるだけ控えるようにしましょう。
体内の鉄分が不足するとドーパミンが分泌されにくくなり、むずむず脚症候群が発症しやすくなると考えられています。
症状を軽減するために、鉄分を意識的に摂るのがおすすめです。
ウォーキングやストレッチなどの程よい運動は、心地よい疲労感を与えて寝つきを良くします。
就寝前に短時間歩くことで症状が軽くなる人もいますが、人によっては目が冴えてしまったり、症状が改善しないこともあるので注意が必要です。
そのような場合は
という対処で症状がやわらぐこともあります。
上記のような方法で改善が見られない場合は、薬による治療を行うことが多いです。
以下のような薬を服用することで症状の軽減・解消が期待できます。
一時的に症状が改善しても服薬を急にやめると症状が悪化する可能性があるので、医師の指示なしに服薬をやめないようにしましょう。
薬が合わないと感じる場合も、必ず医師に相談するようにしましょう。
病院での治療を考えている場合は睡眠専門医の診察を受けると良いでしょう。
睡眠専門医の受診が難しいときは、睡眠障害を診ている精神科や脳や神経関連の疾患の診察を行っている神経内科を受診しましょう。
むずむず脚症候群の主な原因は、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが少なかったり、正常に働かないことが原因であると考えられています。
貧血によってむずむず脚症候群が生じるのは、鉄分がドーパミンの作用を補助しているため、鉄分不足ではドーパミンの働きが悪くなるためです。
しかし、子供の場合には、もちろん鉄分不足が原因であることもありますが、子供に多い感染症のマイコプラズマや溶連菌、睡眠不足などの不規則な生活習慣が原因となることもあります。また、ADHDなどの多動を特徴とする発達障害によってもむずむず脚症候群と類似した症状が現れることもあり、長い間むずむず脚症候群であると誤診され、発達障害の適切なフォローがなされないケースも少なくありません。
子供のむずむず脚症候群は生活習慣や食生活の見直しで多くは改善し、鉄分不足が著しい場合には鉄剤の服用が必要になることもありますが、多くは半年以内には改善が見られます。このような治療を行っても症状が長く続く場合には、発達障害も念頭に入れて専門医を受診することをおすすめします。
むずむず脚症候群を放っておくと脚の問題にとどまらず、心筋梗塞、脳卒中、睡眠障害などを招く可能性があります。
症状が見られたら早めに対処することが大切です。
自力での改善が難しい場合は、できるだけ早く専門医の診察を受けて快適な毎日を取り戻しましょう。