記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/28 記事改定日: 2019/3/4
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
アシュワガンダは古くから使われているハーブのひとつで、サプリメントとしても人気のある成分です。この記事では、アシュワガンダの特徴や摂取したときに得られる効果、注意点を解説します。
アシュワガンダはサンスクリット語で「馬の匂い」という意味の言葉で、インドのアーユルヴェーダで使われている薬草です。アダプトゲンの一種で、主に不安を防ぐ能力が補っています。アシュワガンダの抗不安効果は、アルコールとの相乗効果さえみられています。
また、不眠症やストレスが原因の抑うつを緩和する効果も明らかになっていますし、コルチゾール濃度やストレスによる免疫抑制作用を大幅に軽減する効果もあります。
ストレスのレベルを下げる以外には、運動習慣のない人とアスリートの両方において、身体的能力を改善し、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを減少させる作用があります。またアシュワガンダは、記憶の形成の改善において効果的です。アルツハイマー病の治療に有効である可能性もありますが、患者に補給が推奨されるためには、より多くヒトを対象にした実験が必要です。
アシュワカンダの主な作用は少数の研究に基づいているため、立証のためには更なる研究が必要だとされています。
アシュガワンダは伝統的には、がん患者に推奨されていますが、がんを治療する能力についての、ヒトを対象とした実験による証拠はありません。それでも、免疫抑制を軽減させるためには、重要なサプリメントです。また、ストレスや疲労を大幅に軽減することで、化学療法の痛みを和らげることもできます。アシュワガンダは、根拠が乏しいためがん治療には使用すべきではありませんが、他の治療法と併用することは可能です。
アシュワガンダの最も低い有効用量であり、最も費用対効果の高い用量は、300~500mgとされています。最大用量は1日6,000mgで、1日に3回(2,000mg)に分けて摂取します。ほとんどの場合300~500mgが効果的ですが、50~100mgの低用量タイプのものは、ストレスでみられる免疫力低下の改善や精神安定剤(不安緩和剤)の効果を狙うために使えます。
アシュワガンダ補給のために最も好ましいのは、根のエキスを摂取することです。また、アシュワガンダは食事と一緒に摂取することが推奨されています。 1日1回服用する場合は、朝食と一緒に摂取するのがお勧めです。
アシュワガンダのテストステロンを増加させる根拠がはわずかに認められますが、現時点でははっきりと根拠があるとは言い切れません。
アシュワガンダは、特に男性に効果をもたらすと考えられています。伝統的に男性用サプリメントとして使用され、男性の活力と生殖力を高めるとうたわれているハーブです。アシュワガンダは精巣に影響を与えるため、(精子の質が低い男性にとっては)妊娠を促す効果があります。このことは、いくつかの研究で実証されています。一方で、健常な繁殖力のある男性の精液の質を高めるかどうかは明らかになっていません。
また、テストステロンが増加することで、気分の落ち込みを改善する効果があると言われています。
アシュワガンダは、男性に効果がある一方、女性にも効果があると言われています。女性の生殖能力に影響を与えるかどうかについての研究はありませんが、男性と女性の両方を対象にした研究によると、不安、ストレス、コレステロールへの効果が明らかになっています。