ビタミンK

2017/9/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ビタミンKは、植物や腸内細菌に由来する必須ビタミンです。骨の健康に不可欠な役割を果たし、血液の凝固を調節します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要


ビタミンKはビタミンA、ビタミンD、ビタミンEと合わせて4種類の脂溶性ビタミンの一つです。

ビタミンKに血液凝固に関する作用があるという事実はドイツで発見されたため、ドイツ語のKoagulation(=凝固)のKをとってビタミンKと命名されました。

ビタミンKは、濃緑色の野菜、納豆に豊富に含まれています。なお、ビタミンK2は、細菌による発酵によって作られるため、動物製品にも含まれています。

ビタミンKの推奨一日摂取量(RDI)でも、健康な血液凝固能を保つためには十分です。しかしビタミンKを高用量摂取することで、心血管や骨の健康に効果があります。残念なことに、食品のみから、高レベルのビタミンKを得ることは困難なので、別途補給する必要があります。

ビタミンKの量を適切に保つことで丈夫な骨を保つことができます。

ビタミンKはまた心血管も健康に保ちます。動脈の石灰化および動脈硬化を改善し、心血管関連死亡のリスクを低減します。ビタミンKは、がん治療およびアンチエイジングにおいても役割を果たす可能性があります。さらにインスリン感受性の改善にも役立つ可能性がありますが、ビタミンKがこれらの領域で活発な役割を果たすかどうかを判断するためには、より多くの研究が必要です。

ビタミンKの主要なメカニズムは「ビタミンKサイクル」を介して起きます。ビタミンKによってカルシウムイオンは血流から除去され、動脈へのカルシウムの蓄積(=石灰化)を防止します。

ビタミンDは骨の健康をサポートしているため、ビタミンDと一緒に補給されることがよくあります。実際、両者を併用すると、相乗的に働くことが知られているため、それぞれの効果が向上します。過剰なビタミンDの摂取は動脈石灰化を引き起こす可能性がありますが、ビタミンKはこの蓄積を減少させます。

基礎知識

混同注意

ピロロキノリンキノン

注意すべき事項

・ビタミンKは脂溶性です、脂肪を含む食事や脂肪酸を含むカプセルで摂取する必要があります

摂取方法


ビタミンKはビタミン剤として知られている様々な形で提供されていますが、おもにフィロキノン(ビタミンK1)とメナキノン(ビタミンK2)に分かれます。

フィロキノン(ビタミンK1)の最小摂取量は50mcgで、ビタミンKの推奨一日摂取量(RDI)を満たすには十分です。ビタミンK1の最大摂取量は1,000mcgです。

ビタミンK2には短鎖のMK-4とより長鎖のMK-7があります。

MK-4の最小摂取量は1,500mcgであり、45mg(45,000mcg)までの投与量が安全に使用されています。

MK-7の最小摂取量は、90〜360mcgです。 MK-7の最大有効用量を決定するためにはさらなる研究が必要だとされています。

たとえビタミンが植物由来のものであっても、脂溶性のビタミンKは脂肪と一緒に補給されるべきですので、食事時にビタミンKを摂取することを検討してください。植物ベースのビタミンKの供給源を電子レンジにかけると、ビタミンの吸収速度が増加します。

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