記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/10/17
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
白癬(はくせん)は、かび(真菌)による感染症で、手足や体の皮膚、頭皮、爪に発症します。足の水虫として知られています。足の指の間が赤くなり、一方で皮膚は白くなって、かゆみや痛みがあらわれます。他の症状のあらわれ方として、皮膚が乾燥して硬くなり、剥がれ落ちたり、ひび割れることもあります。
白癬感染症は、体のどの部位に感染しているかによって違う名前があります。 体部白癬は、体の皮膚の真菌感染症です。 腕、脚や胸に症状があらわれます。
足白癬は、足の水虫として有名です。足の指先の間の湿った皮膚は、真菌が成長するのに最適な場所です。 皮膚に水疱やひび割れが生じ、皮膚がかゆくて赤くなったり、痛くなったりします。 感染は足の爪にも広がる可能性があります。長い間感染が続くと、爪が厚くなり、剥がれたりしてしまう原因となります。 手の爪に広がる可能性もあります。
陰部白癬は、名前の通り性器周囲の白癬で、 「いんきんたむし」として知られます。 発疹はかゆくて痛いことがあります。男性に多いです。
頭部白癬は、頭皮の白癬です。この白癬は、子供に多く見られます。
真菌を持っている人に触れることによって感染することがあります。 公共シャワーやロッカールームの床のように、湿った表面に生息している菌もいます。 そこで真菌が付いて簡単にうつってしまうこともあります。家族内や寮などの共同生活では伝染りやすいです。
皮膚科の医師に相談しましょう。 外見だけでは、白癬は他の皮膚の病気と見分けるのが困難なことがあり、病気によって治療法が全く異なります。発疹の原因を正確に見つけるために、医師は炎症を起こした皮膚の一部を採取し、顕微鏡で調べ、原因が真菌であるかどうかを判断します。
場合によっては、皮膚や毛髪、爪の一部を試験管に入れ、試験管内で菌を育てる(培養する)ことがあります。これは、皮膚のトラブルが真菌によって引き起こされているかどうかを調べる方法です。こうすることで、真菌の種類を正確に知ることができます。 真菌の増殖はゆっくりなので、この検査にはしばらく時間がかかります。
医師が白癬感染症があると判断したら、それを治療するために抗真菌薬を処方します。 数週間の間、病変のある皮膚に抗真菌薬の軟膏を塗ります。
症状が重い場合や、軟膏が効きにくい場合は、飲み薬による治療が行われます。
肌を清潔で乾燥した状態に保つことが最も有効な予防法です。また、以下のことを行うと、白癬感染症を起こす可能性は低くなります。
・靴下や下着は毎日交換してください。特に暑い季節は心掛けましょう。
・ロッカールームや公共シャワーを使用した後、足を丁寧に乾燥させてください(特に足の指の間)。
・暑い季節には厚手の服を長時間着用しないでください。 汗をたくさんかいてしまうと、真菌感染症の成長を促進させてしまうかもしれません。
・他人のタオル、服、くつを借りることは避けましょう。
真菌によって傷ついた皮膚から、細菌が侵入して、蜂窩織炎などの感染を起こすことがあり、注意が必要です。
・なぜ感染したのでしょうか?
・もっとも良い治療法は何ですか?
・飲み薬を使用する必要はありますか?
・白癬の感染を避ける方法はありますか?
・子供と一緒に暮らしています。子供にうつさないためにはどうしたら良いですか?
・ひび割れがあるのですが、軟膏を使っても大丈夫ですか?
・白癬の治療を受けたら、どれくらいで完治しますか?
・白癬にかかっています。シーツやタオルは毎日洗濯したほうがよいですか?