更年期障害になると、体にどんな症状が出てくる?

2017/9/28

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

更年期障害は汗を異常にかいたり、イライラしたり、いろんな症状があらわれます。ホルモンのバランスが崩れることで起こる更年期障害の症状や改善方法にはどんなものがあるのでしょうか?更年期の人やこれから更年期を迎える人、更年期の家族がいる人に役立つ情報をまとめました。

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更年期障害とは

更年期とは、生殖期と非生殖期の移行期間のことで、卵巣の機能が低下し始めて消失するまでの期間と定義されています。

これは女性の生理(月経)が終わる時期であり、更年期障害は性ホルモンの分泌量が少なくなることが原因で発症すると考えられています。男女ともに40歳を過ぎた頃からみられるようになり、自律神経失調症に似た体調不良や情緒不安定などの症状が起こります。

更年期障害が起こる原因は

女性の場合は、閉経期前後の約10年間に卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することによって症状が現れます。男性の場合は、30歳以降睾丸ホルモンであるテストステロンの分泌が減少し始め40歳代後半で症状が現れることがありますが、女性の場合と較べ、分泌量の変化が緩やかなため老化現象の一部と認識されて気づかれないことが多いといわれています。

性ホルモンが低下してしまうと、その他のホルモンのバランスや自律神経の働きに異常が起こり、様々な症状を発症してしまうのです。

更年期障害の症状にはどんなものがある?

更年期障害の症状には、体の不調と心の不調の2種類があります。

体の不調

顔が赤くなったり、ほてりや異常な発汗などがみられるようになります。このような症状は「ホットフラッシュ」と呼ばれ、更年期障害の代表的な症状です。その他には、息切れや動悸、めまいや耳鳴り、倦怠感などが現れます。

また、食欲がなくなったり、腰痛や関節痛が頻発したり、皮膚のかゆみや乾燥がひどくなったり、排尿のトラブルが起こったりなど全身に症状が現れることもあります。

心の不調

イライラしやすかったり、落ち込みやすくなったり、不安や不眠などの症状が現れます。怒りっぽくなったり、涙もろくなったり、急にやる気がなくなったりと情緒不安定になることも多いです。

このような心の不調は、体の不調と同時に起こることもあり、症状の出方が日や時間によって違うこともあり、心のコントロールが難しくなってしまうことも多いといわれています。

自分でできる、更年期障害の対処法は?

更年期障害は様々な症状が起こり、症状がひどいときには日常生活に影響することもあります。そのため、専門の医療機関で治療することをおすすめしますが、症状が軽い場合はセルフケアである程度の改善が見込めるケースもあるといわれています。

更年期障害のセルフケアは、健康的な生活習慣とリフレッシュが基本です。バランスのいい食事と適度な運動、規則正しい睡眠を心がけましょう。とくに有酸素運動はリフレッシュにもつながるので積極的に取り入れてください。ただし、頑張りすぎは禁物です。きちんと休息をとることも忘れないようにしましょう。

リフレッシュのために自分の好きな趣味をみつけることも大切です。また、家に閉じこもらないようにして、外出する習慣をつけましょう。趣味があう友達や気楽におしゃべりできる友達を作るようにすることをおすすめします。

症状の重さに個人差はありますが、更年期はどんな女性にも訪れるものです。更年期障害と思われる症状が出たら、その時期が来たとある程度割り切ることも必要になるでしょう。これは男性の更年期にも言えることです。

ただし、症状が重い場合は病院での治療が必要になることもあるので、無理はしないで婦人科などの専門機関に相談してください。

 

おわりに:症状がひどくて日常生活に支障をきたしているときは、婦人科医に相談してみよう

更年期の症状は多岐にわたり、生活に支障をきたすこともあります。症状が軽い場合はセルフケアで様子をみてもかまいませんが、症状がひどいときは無理をせず、婦人科などの専門の医療機関に相談して適切な治療を受けましょう。

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