記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/28 記事改定日: 2019/4/15
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
細菌性肺炎は肺炎球菌やマイコプラズマなどの細菌によって発症する肺炎で、日常生活の中で感染する市中肺炎に分類されます。
今回の記事では、細菌性肺炎の症状・原因・対処法などをご紹介します。
細菌性肺炎とは細菌が肺に侵入して、肺が炎症を起こした状態のことです。
細菌性肺炎の原因は肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌、マイコプラズマ、クラミジアなどの細菌です。
大人では肺炎球菌やインフルエンザ菌が原因菌となる頻度が高いです。
は侵入してきた細菌と闘うための免疫機能が低下していることが多いので、肺炎にかかりやすい傾向があります。
また、体の抵抗力が弱まっていると治りが悪く、肺炎が重症化する危険性が高いので注意が必要です。
子供の細菌性肺炎の原因菌として多いのは、ブドウ球菌や肺炎球菌、インフルエンザ桿菌などです。また、RSウイルスやインフルエンザなどが原因で肺炎を発症し、更にこれらの細菌性肺炎を併発するケースも多々あります。
子供は免疫力や体力が低いため、所謂「風邪」や「感冒」と呼ばれる急性上気道炎を発症すると、炎症が気管や肺にまで波及して気管支炎や肺炎に悪化するリスクが成人より高いと考えられています。
このため、子供は風邪をひいたらなるべく早めに病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。
細菌性肺炎の代表的な症状は、咳、濃性痰(のうせいたん)、発熱(38℃以上)、悪寒、全身の倦怠感、食欲の減退です。進行が進んで炎症が胸膜にまで広がると、呼吸困難や胸部の痛みをともなうこともあります。
また、細菌性肺炎がさらに重症化すると呼吸数や脈拍数が増え、呼吸困難、チアノーゼ(血管内の酸素不足によって肌が青~紫色に変化すること)、意識障害などの治療の緊急性が高い症状が現われるようになります。
咳や痰をはじめ、肺炎と気管支炎は共通する症状が多いので、区別がするの難しい場合があります。
判別のポイントは熱が高いかどうか、胸部の痛みや呼吸困難の有無を確認することです。これらの症状をともなう場合は肺炎の疑いがあるので、できるだけ早く病院で診察を受けてください。
病院では診察及び胸部X線(レントゲン)検査を行い、症状に応じて入院や専門病院への転送を行うかどうかを医師が判断します。
また、咳や痰などの症状と共に意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、血圧の低下などが見られる場合は肺炎が重症化している可能性が高いです。肺炎は重症化すると進行が速くなるので、早急に治療する必要があります。
細菌性肺炎の治療は病気の進行具合や患者の体調などによって異なります。
症状が軽ければ通院をしながら抗菌薬を服用して経過を見るというやり方が一般的ですが、入院が必要な場合には経口薬に加えて注射による治療を行うこともあります。
また、治療に使う抗生物質の種類も原因となる細菌によって違います。
熱が高い状態が続いたり胸部に痛みが現れたり、咳や痰以外の症状をともなう場合は肺炎に罹っている可能性が高いです。特に高齢者は免疫力の低下により進行が早いため、肺炎が重症化しやすい傾向があります。
できるだけ早く病院で診察・治療を受けるようにしてください。