記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/10/4
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
感染性角膜炎は原因によって4つのタイプにわかれ、基本的にはそれぞれに適した方法で治療を行います。
感染性角膜炎の種類別の原因や治療法について、この記事で詳しく見ていきましょう。
角膜の表面に傷がつくことを角膜炎と言いますが、感染性角膜炎は細菌やカビなどの感染によって角膜に起きる炎症のことです。
目の痛み、目がゴロゴロするなどの異物感、目の充血、涙が流れる、まぶたが腫れるなどの症状が見られます。
感染性角膜炎にはいくつかのタイプがあり、多くの場合は片目のみに現われることが特徴です。
悪化すると炎症が角膜内部まで届いた角膜潰瘍を発生し、黒目の白濁・視力の低下・失明を引き起こす危険性があります。
感染性角膜炎のタイプは原因によって異なります。
代表的なものは「細菌性角膜炎」「真菌性角膜炎」「角膜ヘルペス」「アカントアメーバ角膜炎」の4種です。
ここでは、それぞれの感染性角膜炎が生じる原因や特徴を説明します。
詳しくは後ほど説明しますが、治療も感染性角膜炎の原因によって異なるので、症状が現われたら自己判断せずに眼科で診察を受けましょう。
細菌が原因で生じる角膜炎で、ゴミや砂などの異物が目に入ることやコンタクトレンズで角膜にキズがつくことで起こります。
放置すると最悪の場合失明にいたる可能性があるので、早急な処置が必要です。
真菌性角膜炎は真菌(カビ)によって起こり、細菌性角膜炎と比べると発症期間が長いことが特徴です。
原因としては、植物などによる角膜の外傷、ソフトコンタクトレンズの長時間装着、ステロイド剤の長期点眼などがあげられます。
乳幼児の頃に感染したヘルペスウイルスは身体の中の神経組織(神経系を構成する主要組織のこと)に潜んでいることが多いです。
この隠れていたウイルスが発熱、紫外線による被爆、ストレスなどをきっかけに復活して角膜へ移動し、角膜で炎症を起こすことで生じます。
池や沼などの淡水に生息するアメーバという微生物によって起こる角膜炎で、夜眠れないほどの激しい目の痛みが特徴です。近年、コンタクトレンズの利用者の間で増えていることで注目されています。
アメーバは水道水の中にも存在するため、コンタクトレンズを水道水で洗ったり、手入れが不十分だった場合に発症する可能性が高いです。
感染性角膜炎の治療は角膜炎の種類によって異なります。
細菌性角膜炎の場合は、細菌の種類に合わせた抗菌点眼薬、内服薬、点滴薬による治療を行うことが多いです。
真菌性角膜炎に対しては、抗真菌点眼薬に抗真菌内服薬や点滴薬を加えた治療を最低1カ月以上継続して行います。
角膜ヘルペスは抗ウイルス眼軟膏を使えば1~2週間ほどで治ることが多いですが、再発を繰り返すことも少なくないので注意が必要です。
アカントアメーバ角膜炎の一般的な治療は、濁った角膜の除去、抗真菌点眼薬の点眼、抗真菌薬の点滴を組み合わせて行います。
感染性角膜炎が進行すると、最悪の場合視力を失う可能性があります。
コンタクトの使用・管理や目にゴミが入ったときの対処を正しく行い、角膜にダメージを与えないようにしましょう。