記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/1 記事改定日: 2020/5/21
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
耳たぶが赤く腫れあがったり、あるいは耳の後ろが熱っぽく腫れていたり…そんな耳の腫れでお悩みではありませんか?ひとくちに「耳が腫れた」といっても、腫れが起こる部位によって原因が異なります。
この記事では、耳が腫れたときの対処法や、腫れの部位別に考えられる原因を解説していきます。
耳たぶが腫れる原因としてとくに多いといわれているのが、耳介軟骨膜炎(じかいなんこつまくえん)と粉瘤(ふんりゅう)です。
耳介軟骨膜炎は、ピアスの穴あけなどがきっかけで発症する病気です。
耳の外側(耳介)は、軟骨の上に薄い皮下組織と皮膚で覆われた部分ですが、前面は特に皮下組織が少ないため、ピアスの穴あけやケガなどをきっかけに細菌感染すると炎症が軟骨膜や耳介全体に及んで腫れてしまうことがあります。
粉瘤とは、本来皮膚から剥がれ落ちるはずだった角質と皮脂が溜まって袋状になった腫瘍のことです。
ニキビのように半円状に盛り上がっており、中央に黒い点のようなものが見えたら粉瘤の可能性が非常に高いです。基本的には良性腫瘍ですが、化膿して腫れている場合は皮膚科などで切除手術を行うことが推奨されます。
耳の中には外耳や中耳、内耳といったさまざまな組織があり、耳の中が腫れるおもな原因としては、外耳道炎や急性中耳炎などの病気が考えられます。
外耳道炎は、耳掃除のしすぎなどで外耳道が傷ついたところに細菌が感染すると発症することがあります。耳を引っ張ったり押さえたりすると痛みを感じたり、耳垂れが起きたりするときは外耳道炎を発症している可能性があるでしょう。
急性中耳炎は細菌やウイルスが中耳に感染したときに発症します。中耳腔内に膿がたまって鼓膜が赤く腫れ、強い痛みを感じるという特徴があります。
耳はリンパ節とつながっているため、リンパ節炎の影響で耳の後ろが腫れることがあります。リンパ節炎は細菌やウイルスによる感染症が原因であり、咽頭炎や扁桃腺炎、中耳炎などの発症をきっかけに耳の後ろが腫れることがあります。
また、おたふく風邪によっても耳の後ろが腫れることがあります。おたふく風邪はムンプスウイルスへの感染が原因で発症する病気で、その代表的な症状に耳下腺の腫れがあります。耳の後ろ側の腫れとともに、高熱や食欲減退といった症状もみられるなら、おたふく風邪の可能性があります。すぐに病院を受診しましょう。
なお、粉瘤が耳の後ろにできることも多いです。もし、腫れとともにしこりがみられたら粉瘤の可能性がありますので、皮膚科で診てもらってください。
耳が腫れる原因には上記のようにさまざまな原因があります。数日ほど様子を見れば自然に改善することもありますが、次のような症状を伴うときはできるだけ早めに病院を受診するようにしましょう。
また、すぐに病院に行けない時は、腫れた部分を冷やしたり、市販の痛み止めなどを飲んだりして様子を見ましょう。だたし、症状が改善すれば問題ありませんが、腫れや痛みなどが続くときは早めに病院に行くことをおすすめします。
耳の腫れは、ピアスの穴あけやおたふく風邪の影響など幅広い原因が考えられます。時間の経過とともに治る場合もありますが、放置すると悪化が進むことも少なくありません。耳が腫れたときは、まず病院を受診して原因を調べてもらいましょう。