記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
くしゃみや鼻水は健康的に生活していても出るものですが、私たちの体の中でどのような役目を果たしているのでしょうか?
この記事で、その原因や治療法を見ていきましょう。
くしゃみや鼻水が出るのは、私たちの体がホコリや花粉、ウイルスなどの異物が侵入するのを防ごうとするからです。
くしゃみは体が鼻から入ってきた異物を外に追い出そうとしたり、外の温度や湿度の変化に応じて体内に取り込む空気の状態を調整しようとするときなどに出ます。
鼻水もくしゃみと似たような役割があり、ゴミ、花粉、細菌、ウイルスなどの鼻の中に侵入した異物を体外へ出すために出ると考えられています。
くしゃみや鼻水は健康なときにも出るものですが、止まらない場合は病気が原因となっていることが多いです。
以下の文で、代表的な疾患を紹介します。
体内にウイルスが侵入したこと対する反応としてくしゃみが出ると考えられます。
花粉症との判別が難しいかもしれませんが、熱やのどの痛みを伴っていれば風邪である可能性が高いでしょう。
アレルギー性鼻炎のくしゃみや鼻水は、アレルゲンに対する防御反応です。
花粉症に代表される季節性アレルギー性鼻炎と、1年を通じて症状が現れる通年性アレルギー性鼻炎に分かれ、季節性のものはスギやヒノキの花粉によって、通年性の場合はダニ・ハウスダスト・ペットの毛などが原因で起こります。
時間帯や屋内外の気温差が激しくなると、寒冷刺激によるアレルギー反応としてくしゃみや鼻水が出ることがあります。これは、寒暖差が自律神経に作用するためです。
起床した直後にくしゃみや鼻水が止まらなくなる現象をモーニングアタックといいます。
モーニングアタックは目覚めた後に自律神経が上手く働かないことが原因で起こります。
治療方法はくしゃみや鼻水を引き起こしている原因によって異なります。
風邪や花粉症の場合はそれ自体を治すことが大切ですし、通年性アレルギー性鼻炎が原因ならばくしゃみや鼻水のもととなるアレルゲンを取り除くことが効果的です。部屋の掃除をこまめに行なう、布団や布団カバーなどの布製品は洗濯してなるべく日光に当てる、ぬいぐるみなどのダニの温床となるものは置かないなど、できるだけアレルゲンを遠ざけるよう工夫をしましょう。
それでも改善しない場合には、内服薬や点鼻薬の処方、鼻洗浄、ネブライザーを使った治療、手術療法によって治療を行います。
寒暖差アレルギーには、冷え性の改善、温度調節をしやすい服装を心がけることで症状を抑えることができます。また、症状が改善しない場合には手術をすることで症状を和らげることが可能です。
モーニングアタックの症状は、交感神経と副交感神経の切り替わりやすくなると緩和されると考えられています。
目覚めてすぐに起き上がらず、布団の中で手指などを動かして交感神経の働きを活発にするようにしましょう。
くしゃみや鼻水を抑えるためのセルフケアの代表例は鼻を洗うことです。
鼻を洗浄することで鼻の中に入った花粉やほこりなどの異物を取り除くことができます。ただし、水道水に含まれる塩素が鼻の粘膜を傷つけてしまうので、洗浄は生理食塩水や市販の専用液などを使って行うようにしてください。
また、加湿器やマスクなどを使って部屋の空気や鼻の粘膜の乾燥を防ぐのも効果的な対策です。特に鼻の粘膜の炎症が起きている花粉症やアレルギー性鼻炎のくしゃみは、粘膜に潤いを与えることで症状が軽くなることもあります。
くしゃみや鼻水は自然な生理現象ですが、他の病気の症状として現われていることもあります。
症状が長期間続いているときや原因がわからないときは耳鼻科で検査を受けましょう。