記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/16 記事改定日: 2018/4/2
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「風邪のときは栄養のあるものを食べましょう」という話はよく聞きますが、どんなものを食べればいいのだろう・・・と悩んだことはありませんか?この記事では、風邪のときに積極的に摂りたい栄養素やレシピをご紹介します。
風邪で発熱すると、エネルギーを消耗するだけでなく、体内のタンパク質も分解されやすくなります。このため、エネルギー源となる炭水化物はもちろん、タンパク質も補給することが大切です。
また、ウイルスを撃退する役割を担う白血球の働きを助けるビタミンCや、鼻やのどの粘膜を守る働きを持つビタミンA、代謝に欠かせないビタミンB1を摂ることも大切です。
炭水化物はご飯やパンに、ビタミンCやビタミンAは緑黄色野菜や果物に、タンパク質は卵や白身魚、豆腐などに、そしてビタミンAは緑黄色野菜やフルーツに豊富に含まれています。無理に食べる必要はありませんが、できれば少しだけでも口に入れて、栄養補給をしてください。
また、特に発熱しているときは水分補給もして、熱で失われた水分を補うことも大切です。
風邪はウイルスが侵入したばかりの、ひきはじめの段階で治すのが理想的です。胃腸への負担を少なくするために、うどんや雑炊・野菜を煮込んだスープ・みそ汁といった、温かくて消化の良い食事を摂りましょう。また、タンパク質を補給するために、雑炊やうどんに溶き卵を加えて卵とじにするのもおすすめです。
熱で失われた水分を補給することは大切ですが、水分の摂り方には注意が必要です。冷たい水やスポーツドリンクをたくさん飲むと体が冷えてしまうので、常温の水やお白湯、生姜湯などを飲むようにしましょう。同じ理由で、アイスクリームもできるだけ控えてください。
<にらと卵の雑炊>
【材料(2人分)】
ご飯(100g)
卵(1個)
ニラ(1/4束)
ニンジン(10g)
ネギ(5g)
ショウガ(1/2かけ)
だし汁(1.5カップ)
しょうゆ(小さじ1)
塩(少々)
【作り方】
1.野菜を切る。ニラとニンジンは2~3センチの短冊切りに、ネギはみじん切りに、しょうがはすりおろす
2.卵を割ってほぐしておく
3.鍋にだし汁としょう油、塩を加え、ニンジンをゆでる(柔らかくなるまで)
4.ご飯をザルに入れてさっと洗う(ぬめりを取るため)
5.鍋にご飯とネギ、ショウガ、ニラを加えて煮る
6.ニラがやわらかくなってきたら、溶き卵を加えてひと煮立ちさせる
7.できあがり
<しょうが湯>
【材料(2人分)】
水(カップ2)
おろししょうが(大さじ1)
砂糖(大さじ3)
片栗粉(大さじ1)
【作り方】
1.鍋に水を入れて沸騰させる
2.沸騰したら砂糖を入れる
3.おろししょうがをいれる
4.大さじ1の水で溶かした片栗粉を鍋に入れる
5.とろみがついたらできあがり
風邪が進行すると、体がウイルスと闘うために熱を出してエネルギーを使います。そのため、以下に挙げるような、栄養価が高くて消化の良い食材を使った食事をとることが大切です。
・豆腐(タンパク室が豊富で、消化しやすい)
・リンゴ(食物繊維が豊富で胃腸の調子を整えてくれる)
・お粥、うどん(消化が良く、体を温めてくれる)
・レンコン(特に、すりおろすと咳を和らげる作用が期待できる)
・ゴボウ(熱を下げる働きが期待できる)
反対に、胃腸に負担がかかる揚げ物やスナック菓子、脂肪分の多い肉や魚は控えましょう。また、利尿作用のあるコーヒー、紅茶、栄養ドリンク、アルコール類も飲まないようにしてください。
<湯豆腐(2人分)>
豆腐(1丁)
ネギ(1本)
水(カップ5)
しょう油(大さじ1)
みりん(大さじ1)
だし(大さじ1)
<作り方>
1.ネギと豆腐を食べやすい大きさに切る
2.鍋に水、しょう油、みりん、だしを入れる
3.沸騰したら、ネギと豆腐を加える
4.ひと煮立ちして、具材に火が通ったらできあがり。
<リンゴのコンポート>
【材料(作りやすい分量)】
リンゴ(1個)
水(75cc)
砂糖(大さじ4)
レモン汁(小さじ2)
【作り方】
1.リンゴをくし切りにする
2.水、砂糖、レモン汁を混ぜる
3.カットしたリンゴを耐熱容器に並べ、水と砂糖、レモン汁を混ぜたものをそそぐ
4.ラップを軽くかけて電子レンジ(600W)で加熱する
2分30秒加熱した後、リンゴを裏返してもう一度2分30秒加熱する
5.できあがり
風邪が治ってくると、食欲も回復してくると思います。でも、急に食事の量を増やしたり、消化しづらい料理を食べてしまうと、弱っている胃腸に負担をかけてしまいます。しばらくは白身魚や鶏肉と野菜を煮込んだものやうどんなど、温かくて消化の良い食事をとり、風邪が悪化しないように注意しましょう。
風邪のひきはじめには、くしゃみや鼻水、咳、のどの違和感といった症状が出てきます。これは、鼻や口の粘膜や鼻毛などの免疫機能が体に入ってくるウイルスを追い出そうとするためです。
風邪が進行すると免疫機能が働くときに炎症が生じることが多く、上記の症状に加えてのどや関節の痛み、倦怠感などが出てきます。
さらに、風邪が悪化したときに見られる症状が発熱です。風邪をひくと熱が出るのは、体温を高くすることで免疫細胞の働きを活発にし、ウイルスが体内で増えるのを防ごうとするためと考えられています。
風邪を治すためには栄養補給することは大事ですが、弱っている胃腸に負担がかかるような食事だと、かえって風邪が悪化したり、ぶり返したりする可能性があります。症状に合わせて、できるだけ消化が良く温かい食事を少しずつとるようにしましょう。