記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/10/18 記事改定日: 2020/4/8
記事改定回数:1回
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
結膜とは白目の表面を覆っている粘膜のことです。結膜下出血で白目が赤くなってびっくりした経験がある人もいると思いますが、なにが原因で出血してしまうのでしょうか。
この記事では、結膜下出血の原因や症状の特徴、治療の進めかたについて解説していきます。
結膜下出血とは結膜下の小さな血管が破れて出血し、白目部分が真っ赤に染まることです。小さな点状や斑状のものから、眼球の結膜全体が広範囲に赤くなることもあり、まれに血腫ができることもあります。
視力低下などの深刻な状態に陥ることはあまりないため、生活に大きな支障をきたすこともほとんどありません。大抵は放置しておいても問題ないでしょう。
充血でも白目が赤くなりますが、充血は血管の血液量が増えて拡大することで赤くなります。白目上に細い血管が浮き出てくるため、血管の走行が確認できます。
これに対し、結膜下出血は全体がべったりと赤く染まり、血管の走行は見られません。また、充血の場合は血液収縮剤を使用すると赤みが引きますが、結膜下出血には効果がないという違いもあります。
結膜下出血の原因は、眼局所の要因、全身性疾患、原因不明のものの3つに分けられますが、原因がわからないものが多いといわれています。
結膜下の血管は非常に細く切れやすいため、以下のような「一見すると目とは関係ないこと」でも出血することがあります。
また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、血管・血液や脳の疾患、加齢、うつ病、ストレス、感染症、アレルギーなどが原因となることもあります。これらが原因の場合は繰り返し出血が起こることが多いです。
結膜下出血になっても眼球内に血液が入ることはないので、目がごろごろするなどの違和感が多少あったとしても、痛みや痒み、目やになどの症状が出ることはなく、視野狭窄や視力低下することもありません。
目が赤くなる以外の自覚症状はほとんどないので、鏡を見たり他人に指摘されて気づくことも多いでしょう。
基本的には1~2週間程度で自然におさまります。ただ、痛みを感じている場合や長く続く場合、繰り返してる場合、ケガや感染症がきっかけと思われる場合は、念のため眼科で治療を受けることをおすすめします。
結膜下出血と診断された後は、必要に応じて止血用点眼薬をを使い治療を進めていきますが、出血が治まっても目の赤みが引かない場合は、血液の吸収を促すために血栓溶解剤を結膜下に注射することがあります。
の場合は、痛みや目やに、涙などの自覚症状が見られるので、目が赤くなる以外の症状があるときは眼科を受診しましょう。
結膜下出血を起こしているときは、できるだけ目に負担がかからない生活を心がけましょう。具体的には、次のような対策がおすすめです。
結膜下出血は基本的には自然治癒する症状なので、そこまで心配いりません。ただ、結膜下出血の症状を繰り返している場合は、何らかの病気や感染症のサインかもしれないので、早めに眼科で検査を受けましょう。