記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
会社などで毎年受ける「健康診断」ですが、正しい検査結果を出すには、健康診断前日の過ごし方が非常に重要になっていきます。今回の記事では、健康診断の前日の注意点を中心にお伝えしていきます。
会社や市町村などで行われる健康診断ですが、その目的は大きく分けて2つあります。ひとつは、病気の早期発見です。体は毎日の生活の中で少しずつ変化していますが、その変化にはなかなか自分では気づくことができません。しかし、病気によっては早期には自覚症状がなく、気付いたときには病気が進行しているものもあります。これを見抜くために健康診断は欠かせないものです。
健康診断のもうひとつの目的は、生活習慣の見直しです。健康診断では、病気にはなっていなくても、予兆ともいえる症状を知ることができます。毎年受けることで、去年の状態と今年の状態を比べ、症状が改善しているのかということも判断できます。生活習慣をあらためることで症状改善につながることもあるため、生活習慣を見直す機会としても健康診断は非常に重要です。
健康診断の前日には、いくつか気を付けなければいけない注意事項があります。 まず目安として、夕食は前日の21~22時までに済ませておくということです。この時間ギリギリに済ませればいいというのではなく、消化のよいものを食べるのがおすすめです。油っぽい食事や、糖分の多い食事も避けた方がいいでしょう。 飲み物ではアルコールはもちろん、糖分の含まれたジュースやカフェインが多いコーヒーもやめておきましょう。
喫煙習慣のある方は喫煙も控え、健康診断の際に渡される注意事項を守って生活するようにしましょう。なお、検査項目によっては、食事の時間が変わることや、注意点が増えることもあるので、詳しくは渡された注意事項をご覧ください。
「前日の夜遅くに食事をとってしまった」など、注意事項を破ってしまった場合はどうすればいいのでしょうか。消化のいいうどんなどではそれほど影響が出ないこともありますが、まずは検査当日にそのことを正直に伝えてください。黙って健康診断を受けてしまうと、検査結果に食事などの影響が出てしまうことがあります。血液検査では、血糖値や中性脂肪に影響が出たり、胃腸のレントゲンやカメラの検査の場合は検査を受けることができなかったりします。
その場合は、予約の取り直しをして別の日にあらためて受けるという形になります。ただし、検査項目によって対応が変わるので、医師と相談して決めてください。自己判断をしたり、注意事項を破ったことを黙ったまま受けたりしてはいけません。
健康診断の当日の過ごし方についても、気を付けることがあります。まず、空腹でも水以外は口にしないようにしましょう。また、禁煙、禁酒はもちろんですが、激しい運動も肝臓の数値に影響してくるので避けましょう。
なお、日頃から飲んでいる薬やサプリメントも検査に影響を与える可能性があります。心臓や血液の病気の薬は飲んでも構いませんが、心配な場合は服用をいったん止めるべきかどうかを事前に医師に確認しておくと安心です。
また、健康診断では日頃飲んでいる薬が分かるように、お薬手帳などを持参するのも大切です。メガネやコンタクトをしている方は、裸眼の数値を測定することもあるので、外せるようにしておくと健康診断を受ける際にスムーズです。
健康診断の前日は、食事の時間や食べるものに気をつけたり、喫煙を控えたりと細かな注意点がたくさんあります。規定の指示に従って正しい診断結果を出せるようにし、これからの健康維持につとめましょう。