記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/24 記事改定日: 2019/3/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自律神経失調症は、生活習慣の改善である程度症状が改善することがあります。ただし、症状がひどくなった場合や原因によっては薬での治療が必要なこともあります。
自律神経失調症の薬の種類と薬を使う目的について解説していくので、薬を使うことに不安がある人は参考にしてください。
自律神経失調症は、めまいや、頭痛、動機、イライラや、不眠、便秘と下痢など、体のいろいろな部分に特徴が現れますが、病院で検査を受けてもとくに異常がないことが多く、原因を特定できないことも少なくありません。
自律神経のバランスが崩れる原因はまだ完全に解明されていませんが、ストレスやホルモンバランスの影響などが原因で起こるとされているので、改善するためには生活習慣の改善が特に重要です。
これは生活習慣が乱れると交感神経と副交感神経のバランスも乱れやすくなるからです。
生活習慣を見直しても症状が改善されないときは、薬での治療と心理療法などを組み合わせての治療が検討されます。
自律神経失調症の治療には以下のような薬物が使用されることがあります。
自律神経の働きを司る脳に直接作用して自律神経のバランスを整える薬です。自律神経失調症による諸症状を軽減する作用があり、主に更年期障害による自律神経失調症に使用されます。
比較的高い効果が期待できますが、眠気や倦怠感、ふらつきなどの症状が現れやすいため日中の事故や転倒による怪我などには注意が必要です。また、吐き気や便秘などの消化器症状が現れることも報告されています。
過度な不安感など精神的な症状が強い場合には、不安を軽減する作用のある抗不安薬が使用されることがあります。抗不安薬には依存性があるため、一時的な使用に止めるのが望ましく、長期間に服用は避けるようにしましょう。
ただし、抗不安薬の種類によっては自己判断で急に服用を中止すると高熱や筋肉痛などの副作用を生じるものもあるので必ず医師の指示通りに服用する必要があります。
その他にも眠気や倦怠感などの副作用が生じることもあります。不具合が出たときは担当医に相談しましょう。
自律神経失調症では、頭痛や不眠など様々な全身症状が現れます。このため、治療を行うには、上記のような薬物の他にもそれぞれの症状を緩和するために薬物療法が行われることがあります。
ただし、これらの対症療法を行っても症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合には、他の病気が原因のことがありますので、漫然と服用を続けずに適切な検査を行うようにしましょう。
自律神経失調症には、加味逍遥散や半夏厚朴湯、抑肝散などの漢方薬が効くことがあります。漢方薬は副作用が少ないものの、効果には個人差がありますので、症状の改善が見られない場合には漫然と服用を続けないようにしましょう。
自律神経失調症の症状は、他人にはわかってもらえないものが多く、精神的にも肉体的にも苦痛を伴うことがあります。薬で症状を抑えて心と体の平穏を守ることは、決して悪いことではありません。
薬の使うことに罪悪感や過度な不安を持つ必要はありませんので、医師の指示に従い正しく服用して、あわてずにじっくり治していきましょう。