記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
けいれんは筋肉が自分の意志に反して収縮し、ぴくぴくと動いてしまうことです。まぶたや顔などにけいれんが起こると、周囲の人から目立ちますし、なにより不快な思いをして悩んでしまうこともあるでしょう。この記事では、けいれんについて解説しています。とくにまぶたや顔のけいれんにフォーカスしていますので、参考にしてください。
けいれんは、自分の意志とは無関係に筋肉が勝手に収縮してしまい、自分の意志ではコントロールできない状態のことを言います。
比較的起こりやすく症状が目立ちやすいのが顔面で、まぶたなど目の周辺の筋肉が勝手にピクピクと動き、痛み等は無いものの、独特の不快感を伴うこともあります。
激しいスポーツの合間や、就寝中に突然ふくらはぎ等がつる状態もけいれんの一種であり、こちらは短い間ではあるものの痛みが起こります。
てんかんの発作による全身硬直や、神経の病気で発生するタイプもあり、症状が長く続いたり、けいれんの箇所が目の周辺から広がってしまうなどの症状がある場合は、医療機関でも治療が必要になる場合もあります。
顔面に起こるけいれんで、最も多いのがまぶたなど目の周辺に起こる「顔面ミオキミア」といわれています。顔面ミオキミアは、顔面神経が何らかの原因で異常興奮することで眼輪筋がけいれんします。長時間のパソコン作業など目を酷使したことで起こる眼精疲労や蓄積したストレス、睡眠不足などが主な原因とされ、ドライアイを招きやすい乾燥した室内も、目のけいれんを引き起こす要因になります。
また、足がつるタイプのけいれんはミネラル不足が大きく関わっているといわれているように、たんぱく質やビタミン類、カルシウムなど、栄養不足もけいれんの原因になることがあります。
その他、過度の運動による疲労が影響したり、高熱や感染症、脳の病気などが原因になることあります。
顔面ミオキミアと呼ばれる目の周辺に起こるタイプは、しばらく安静にしていると治まり、眼精疲労などが解消しないと日を置かずに再発することもありますが、多くの場合、特に心配のないものとされています。
ピクピク動くのが目の周辺から次第に広がり顔面全体に及ぶなど、明らかに常とは違う症状に発展した場合、顔面の神経が血管に圧迫されていることも考えられます。脳梗塞や腫瘍の発生など、脳の血管に何らかの異常が生じているサインである可能性も考えられますので、速やかに医療機関を受診して検査を受けてましょう。眼瞼けいれんという顔面ミオキミアとは違うタイプのけいれんもあり、こちらは目が勝手に閉じてしまう症状に発展し、事故などを招きかねません。いずれにしても、顔やまぶたのけいれん長く続く場合は、必ず病院で検査してもらいましょう。
重大な病気で起こるけいれんは別として、それほど深刻でないけいれんでも頻繁に起こると不快なものがあります。予防をするには、極端な目の疲れを防ぐため、パソコン作業などの合間に目を休めることを習慣化し、睡眠を十分にとり、こまめにストレスを発散することが大切です。その上で目の健康維持に欠かせないビタミン類とともに、たんぱく質やカルシウムなど、バランスよく栄養が摂取できるように健康的な食生活を心がけましょう。
まぶたや顔のけいれんは、脳の病気などが潜んでいる可能性があります。けいれんが続くときは必ず病院を受診し、原因をはっきりさせておきましょう。深刻な問題がないとわかった場合は、バランスのよい食生活と十分な睡眠と休息を摂るように心がけ、ストレス発散を怠らないようにしてください。