記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/20 記事改定日: 2019/8/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
早漏とは、パートナーが満足するまえに射精してしまうことを言いますが、一般的には挿入後2分で射精してしまうことが基準とされています。早漏の基礎知識を紹介していきますので、悩んでいる人は改善に役立ててください。
「早漏」とは、もともと「挿入後射精する時間が適切な時間に満たず、その状態が持続もしくは繰り返されること」と定義されています。ある調査によれば、セックス(性行為)の適切な時間とは「セックスをする人物同士が互いに満足できる長さ」とされています。
つまり、早漏とは、パートナーが満足する前に射精するのが常態化していることです。
ただ、一般的には、早漏は射精に至る時間が短いことであるととらえられているようです。
一般的な基準としては、挿入後2分以内で射精することといわれています。
早漏自体が自身やパートナーの肉体に害を与えることはありませんが、射精時間を自分でコントロールできないことにストレスを感じたり、性行為自体を避けたりするような問題を抱えることもあります。
以前は、早漏の原因は器質性のものであると考えられていましたが、現在ではほとんどの早漏は心因性だと考えられています。
心因性の早漏は、性行為の際に緊張し過ぎたり興奮し過ぎてしまったり、ストレスや不安を感じたりすることで、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」が不足し、射精までの時間が短くなってしまうことが要因ではないかと考えられています。
短時間での射精の経験を繰り返すことや、性器に対するコンプレックスなどが負担となり、状態がよりひどくなってしまうこともあります。
器質性とは、何らかの体の異常に起因することです。器質性の早漏の要因には、ペニスが過敏であることや、「慢性前立腺炎」「慢性尿道炎」といった、陰茎や尿道、膀胱、前立腺などの泌尿器の疾患が考えられます。
これは尿道や前立腺の炎症により、陰茎や精嚢などの機能が低下してしまために起こります。
極端な早漏は不妊の原因になることがあります。
理由はいくつかありますが
ことなどが挙げられます。これらの性行為に対する感情が、精神的な原因による「心因性ED」を引き起こすことがあり、不妊の大きな原因にもなりえます。
また、早漏自体が上で述べたような前立腺の炎症などが原因で起こっていることも多く、それらの病気のなかには精子の量や質に影響を与えるものもあります。このような場合は、正常な性行為を行っていても妊娠しにくくなることがあります。
早漏で受診すれば、場合によっては早漏治療薬を処方してもらえます。
そのほか、改善するための方法には、パートナーに協力をお願いしたり、早漏防止グッズを使ったりすることなどが挙げられます。
パートナーに手や口でペニスを刺激してもらい、射精寸前で刺激を止めてもらう「スクィーズ法」や、腟に挿入した後、射精したくなったら動きを止め、射精感がなくなってからまた動く「セマンズ法」などがあるので、パートナー同士でコミュニケーションを図りながらトレーニングしていきましょう。
局所麻酔薬である「リドカイン」のスプレーをペニスに噴射したり、リドカインが塗ってあるコンドームを使ったりすることで、ペニスの感度を低下させます。ただし、パートナーにもリドカインが付着することになるので、パートナー側の感度も低下する可能性があります。
なお、早漏の原因が泌尿器疾患であると考えられる場合は、医療機関を受診して治療を受ける必要があります。
早漏は心因性のものがほとんどといわれていますが、なかには泌尿器系の病気が原因になっていることがあります。
早漏を改善するにはパートナーの協力が必要不可欠ですが、病院での治療が役立つこともあります。泌尿器系や心の病気がないかを確認する意味でも、一度受診を検討してみてください。