記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/28 記事改定日: 2019/11/21
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
なかなか治りにくい唇の荒れがきっかけで、ただれや出血を引き起こす「口唇炎」。この記事では、口唇炎の症状や原因、タイプ別の適切な治療法など、役立つ情報をお届けします。
口唇炎は口の周りや唇に発生する、湿疹などを含む皮膚炎です。
口唇炎の症状はおもに、口の周りや唇にできるぷつぷつとした「肉芽種性」と、唇の皮が剥がれてくる「剥脱性」のものに分けられます。
口唇炎は、肉芽腫性・剥脱性ともに、歯周病や扁桃炎などのウイルス感染が原因で起こります。また、歯治療に用いられる金属による金属アレルギー、食物アレルギー、自律神経の不調、遺伝など複数の要因が関与して起きることもあります。
なお、慢性的な睡眠不足、ビタミンが不足がちな偏った食生活が引き起こす場合もあります。
「アトピー性口唇炎」や「接触性口唇炎」などアレルギー性皮膚炎による口唇炎もあるため、放置せずに早めに治療することが重要です。
口唇炎の治療法は、肉芽種性か剥脱性かによってそれぞれ異なります。
具体的には以下のとおりです(早く症状を治めるためには、下記の治療と併せ、こまめに口の中をうがいすることも大切です)。
軽症の場合は自然治癒も見込まれますが、重度の場合はステロイド投与が効果的とされています。金属アレルギーや食物アレルギーが原因のときは、アレルゲンの除去が大切になってきます。
これらの治療を1年以上行っても効果が得られなかった場合は、腫れあがった部位を切除することもありますが、術後に再発する可能性があります。
剥脱性の場合、ケアをリップクリームによる保湿だけで留めがちですが、実は化粧品によるアレルギーの場合もあるため、治りにくい場合は原因を確かめるためにも早めに皮膚科を受診しましょう。
剥脱性の口唇炎には、ステロイド軟膏が処方されるのが一般的です。
また、食生活の改善や漢方薬で改善されたケースもあるので、食事やサプリメントを利用しながら、ビタミンA・ B2・ B6やナイアシンを意識して摂取しましょう。
口唇炎の多くは、上で述べたようなビタミンの不足によって引き起こされます。このため、発症を防ぐにはなによりも栄養バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
また、冬場など空気が乾燥しやすい時期は唇の乾燥によっても口唇炎を引き起こしやすくなります。
唇が乾燥しているときは保湿効果のあるリップクリームなどを使用してケアするようにしましょう。唇をなめて乾燥を防ぐ人もいますが、唾液の成分で余計に唇が荒れてしまうことがありますので注意が必要です。また、外出時はマスクを着用するのも、乾燥対策としておススメです。
口唇炎の症状や治療方法は、口唇炎の種類によって異なります。まずは症状が悪化しないよう、早めに病院で診てもらいましょう。また、アレルギーが心配な方は、アレルギー検査を受けることをおすすめします。