記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/16 記事改定日: 2018/6/5
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胆石症とは、胆石という結晶が胆のうや胆管にたまる病気です。無症状のこともあれば、激しい痛みが繰り返し起こることもあるので、病院にいくタイミングが難しい病気です。
この記事では、胆石症(胆のう結石と胆管結石)について解説します。 発症の原因や症状、治療法について紹介していくので、病院へ行く目安や予防のための参考にしてください。
胆石とは、胆のうや胆汁の排泄路となる胆管に胆汁成分が固まってできる固形物のことで、胆石症とは胆石によって引き起こされる病的症状をいいます。
胆石症は、胆石のできる場所によってさまざまな種類に分類されますが、今回は「胆のう結石症」「胆管結石症(総胆管結石症)」を中心にお伝えします。
胆石症を発症する原因は、胆石の種類によって異なります。
胆石は主に、胆のうに多くできる「コレステロール胆石」か「色素胆石」に大きく分けられます。
コレステロール胆石は、加齢や肥満、栄養の偏りなどが原因でできやすくなる胆石です。これは、胆のうの機能が落ちたときや胆汁の濃度が高いときなどにコレステロールが結晶となり、徐々に大きくなることでできていきます。
妊娠や急激な体重の増減、脂肪の代謝に異常がある人にも起こりやすいとされ、胃切除手術を受けた人に発生することがあります。
色素胆石には、ビリルビンカルシウム石と黒色石があります。ビリルビンカルシウム石は、細菌感染によって発生するものであり、発展途上国の人にみられます。黒色石の原因はよくわかっておらず、肝硬変や貧血、炎症性腸疾患の人に発生する傾向があるといわれています。
胆石の多くは、コレステロールを主成分とするコレステロール胆石です。このため、コレステロールの高い食事を多く摂ると肥満につながるだけでなく、胆石の原因にもなるのです。
特に注意すべき食事や食品は以下のものです。
これらの食品全てを過度に制限する必要はありませんが、適度な量を心がけましょう。
胆石の発症は、生活習慣と大きく関わることがあります。
まず、コレステロール胆石の原因としては、高コレステロール血症につながる肥満や運動不足、野菜が少なくコレステロールやカロリーが高いメニュー中心の食生活が挙げられます。
また、三食バランスよく食べずに、朝食や昼食を抜くことは胆汁が濃縮され胆汁中のコレステロール濃度が上昇します。これは胆石の形成や増大につながりますので、食事はできるかぎり決まった時間にバランスよく摂るようにしましょう。
胆のう結石の一般的な症状が、右の肋骨の下付近の差し込むような痛みです。ただし、痛みの箇所は右肩や背中、みぞおちなど決まっておらず、ほかにも嘔吐や悪心が続いたり、中には症状がほとんど現れない人もいるなど個人差があります。
また、これらの痛みのほかに、細菌感染に伴う発熱がみられることもあります。重症化すると急性胆嚢炎につながり、腹痛と高熱が出たりします。
胆石が胆のう内にあるうちは無症状です。胆石が胆管に移動し、胆管を塞ぐと激しい痛みが繰り返し起こります。さらに胆石によって胆管による感染が起こると、悪寒を感じ、発熱、黄疸が発生します。
胆のう結石と診断されても、痛みがない場合は手術は必要はないといわれています。症状があるものでも、小さな石や砂状のものは、石を溶かす薬を服用し、定期的にエコーやX線(レントゲン)、内視鏡検査で経過をみていきます。ただし、若年者や、結石自体は小さくても数があると将来的に痛みを発生しやすいため、手術がすすめられることがあります。かつては胆のうごと取り除く開腹手術が一般的でしたが、現在は腹腔鏡下での手術が選択されることが多いといわれています。
しかし、総胆管結石症の場合は、十二指腸まで届く内視鏡の先端からカテーテルを挿入し、造影剤を注入して治療を行います。手術で結石を取り除く際は、まず、胆管の出口をバルーンなどで広げ、大きな結石も出やすくします。このため、比較的短時間で結石のみを取り除くことができ、体への負担も開腹手術よりは少ないといわれています。
胆汁が固形になって症状を引き起こす「胆石症」は、胆のうだけでなく、胆管や肝臓にも発生します。原因はいくつか考えられますが、主な原因となるのは食事や生活習慣だといわれています。
胆石症と思われる症状がある人は、早めに病院を受診し、適切な治療と食習慣、生活習慣の改善に取り組みましょう。