記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/9/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
男性も更年期障害になることがあります。男性更年期障害は、睡眠不足・運動不足・不健康な食生活をしている人がなりやすく、ストレスが多い働き盛りの人の発症率が増えているといわれています。この記事では、男性更年期障害の症状と食事・栄養との関係性について解説していきます。
男性更年期障害(LOH症候群)は、男性ホルモンのひとつテストステロンが加齢やストレスなどの影響で少なくなり、発汗・ほてり・疲労感・集中力の低下・性欲の低下などの症状が現れる状態のことを言います。女性の更年期障害と同様、男性更年期障害にも体の症状・心の症状・性の症状など、さまざまな症状が現れます。
テストステロンは筋肉や骨をがっちりと男らしくするために作用するホルモンです。そのため、加齢やストレスなどでテストステロンが少なくなると、筋肉が落ちていき、疲労感を感じるようになります。その他に、ほてりやめまい、発汗や頭痛などの症状も現れます。
前向きな感情が湧くテストステロンが少なくなることによって、イライラしたり、不安を感じたりします。夜寝むれなくなり、集中力や記憶力が悪くなります。
テストステロンが少なくなることは、陰茎の勃起に深い関係があります。性の症状として、性欲が衰えたり、EDなどを発症したりするようになります。またテストステロンの減少は前立腺肥大にもつながるため、頻尿の症状が現れることがあります。
男性更年期障害は、栄養不足が原因で発症することもあり、とくに亜鉛は、テストステロンの生成をサポートする作用があるため、不足すると上記の紹介した男性更年期障害の症状が現れやすくなるといわれてます。亜鉛は、牡蠣・海藻類・レバーなどに多く含まれていますが、食生活が不規則になると不足しやすくなり、亜鉛の吸収を助けるビタミンCが不足することも影響する場合があります。なお、ホルモンの原料になる脂質・たんぱく質などが不足することも、男性更年期障害のリスクを高める可能性があります。
男性更年期障害の発症リスクを低減には、日頃からバランスの整った食事を心がけたうえで、亜鉛・ビタミンを含む食材を積極的に摂ることが役立つ可能性があり、このような食生活は症状緩和にもつながります。アミノ酸の一種であるトリプトファンが多く含まれた大豆製品・乳製品・たまご・豚肉・バナナなどは、更年期障害による抑うつ気分の緩和に役立ちます。
ただし、大切なのは「バランスの整った食生活を心がけることです。亜鉛・ビタミンと摂ろうと偏った食品ばかり摂ることはおすすめできません。また、忙しいときやダイエットをしているときも栄養が偏りやすいので注意してください。また、男性更年期障害は専門的な治療で改善することもありますので、まずは専門の医療機関を受診することをおすすめします。
男性更年期障害の治療法としては、男性ホルモンの補充や漢方薬を使った治療があります。症状や適した治療方法には個人差があるため、思い当たる症状・悩みがある場合は、早めに内科・心療内科・泌尿器科などの専門の医療機関を受診して詳しい検査を受けるところから始めましょう。また、症状を少しでも軽くするためにも、日頃から食生活には気をつかうようにしてください。