記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/7/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
虚血性心疾患を発症すると、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れ、進行すると命に危険が及ぶ可能性もあります。虚血性心疾患には生活習慣・食習慣・運動習慣が影響するため、ある程度予防できる可能性があると考えられています。この記事では、虚血性心疾患の原因と発症の仕組み、予防するために心がけたいことについて解説していきます。
虚血性心疾患とは、心筋(心臓の筋肉)に血液を供給する冠動脈が、動脈硬化などによって閉塞(ふさがれること)して、心筋に血液が行かなくなることで起こります。一般的には、狭心症と心筋梗塞の2つをあわせて虚血性心疾患といいます。虚血性心疾患は、動脈硬化を原因とするものがもっとも多いといわれています。動脈硬化とは、老化・肥満・高血圧などが原因で血管が硬くなったり、血管の壁にプラーク(コレステロールの塊)が蓄積したりすることで冠動脈の血流が滞り、心筋に必要な血液が不足した状態になります。
この時点でも、胸が痛くなるなどの症状が現れますが、さらに動脈硬化が進み、何らかの原因で血栓ができてしまうことがあります。血栓で冠動脈が完全にふさがれ血液が全く流れない状態になると、血液が届かなくなった心筋は壊死します。心筋が壊死すると、心臓の収縮・拡張機能に重大な問題が起こり、命にかかわる危険な状態に陥る可能性があります。
虚血性心疾患には、食習慣・運動習慣などの生活習慣が、大きく関係しているといわれています。虚血性心疾患のリスクを高める要因として、以下が挙げられます。
肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病と喫煙習慣は、虚血性心疾患の原因となる動脈硬化のリスクを高める原因になります。虚血性心疾患を予防するためには、脂肪・糖分・塩分の摂り過ぎを避けることが大切です。野菜中心・魚中心・減塩などの食生活を心がけ、揚げ物・脂身が多い肉料理・スイーツなどを控えるようにしましょう。可能であれば、摂取カロリー量や塩分の摂取量などを管理できる環境を整えることをおすすめします。また、ウォーキング・ジョギングなどの有酸素運動を習慣化することも、生活習慣病の予防に役立ちます。睡眠・休息時間を確保し、疲労やストレスを溜めないように心がけることも大切です。
なお、定期的に健康診断・人間ドックを受けるなどして、血圧・血中コレステロール値・血糖値などを把握することも、虚血性心疾患の予防に役立ちます。要再検査・生活改善や要治療などの指摘をされた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
虚血性心疾患のおもな原因は動脈硬化であり、動脈硬化のリスク要因である生活習慣病を予防することが、虚血性心疾患の予防にも役立ちます。規則正しく健康的な生活を送ることを心がけ、定期的に健康診断・人間ドックを受けるなどして、こまめに健康状態をチェックするようにしましょう。生活習慣を見直すときは、必要に応じて医師に相談することをおすすめします。
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