記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/1 記事改定日: 2019/7/5
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腎臓の動脈が詰まってしまうことで、腎臓が壊死してしまう「腎梗塞」。この腎梗塞は、いったいなにが原因で発症するのでしょうか?症状や治療法と併せて解説していきます。
腎梗塞とは、腎組織に栄養や酸素が行き届かず、壊死してしまう病気です。
症状が重くなると排尿ができなくなり急性腎不全になってしまう恐れもあります。
腎梗塞は早期発見が重要ですが、小さな梗塞の場合は自覚症状がほとんどないため自分では気づきにくいです。
腎梗塞は、血管にできた血栓が血液を通じて流れてきて腎動脈や分枝腎動脈が詰まってしまうことで起こります。血栓以外にも、血管の壁から剥がれ落ちたコレステロールの結晶などが原因で腎梗塞を発症することがあります。
腎梗塞は、心房細動や弁膜症、心内膜炎、心臓手術後など心臓で血栓が形成されやすくなる病気が原因で引き起こされやすい病気です。そのほか、腹部大動脈解離(腎臓に血液を供給する腎動脈への血流低下を引き起こす)や外傷などが原因になることがあります。
また、一般的にはエコノミークラス症候群と呼ばれる深部静脈血栓症や脱水症などで血栓ができやすい状態のときには、上記のような病気がない場合でも突発的に発症することがあります。
腎梗塞を発症すると、側腹部の強い痛みや発熱、それに伴う全身倦怠感や悪寒などの症状が現れ、重症な場合には急激な尿量の減少、血尿などが見られるようになります。多くは急激に症状が現れて、みるみるうちに全身状態が悪化していきますが、梗塞した範囲が狭い場合には目立った症状が現れないことも少なくありません。
腎梗塞が疑われるときには、腹部緒音波検査やCT検査などで腎臓の状態を調べ、腎機能などを評価するための血液検査が行われるのが一般的です。
初診時の血液検査では、白血球やCRPなど炎症反応を示す検査項目の上昇や、クレアチニン、尿素窒素、eGFRなど腎機能を示す検査項目の悪化が認められます。
重症な場合には全身の血液が固まりやすい状態となることでDダイマーやFDPなど血液凝固能を示す項目の上昇、血小板の減少などが見られることもあります。
腎梗塞は血栓溶解薬や抗凝固薬などを使用して治療していきますが、片側の腎臓だけが重傷のときは腎臓摘出が検討されることがあり、腎不全にまで進行している場合は血液透析療法が必要になることもあります。
腎梗塞の原因になる血栓は、肥満や動脈硬化などが原因になることが多いです。腎梗塞にならないようにするには、発症前の段階から
など、生活習慣を見直していくことが大切です。
腎梗塞は心臓疾患が主な原因となります。生活習慣を見直し、心臓疾患の原因となる肥満や動脈硬化を予防を心がけて腎梗塞の発症を防ぎましょう。