膀胱に腫瘍ができたときの症状とは?ほとんどが膀胱がんって本当?

2017/12/1 記事改定日: 2019/3/19
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

膀胱腫瘍のほとんどが悪性腫瘍「膀胱がん」であるといわれています。治療には早期発見が大切になってきますが、どのような症状に注意すればいいのでしょうか。
この記事では、膀胱腫瘍(膀胱がん)の症状や転移について解説していきます。

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膀胱腫瘍と膀胱がんの種類

膀胱は尿を一時的に貯めておく(蓄尿機能)袋のような臓器で、ここにできる腫瘍を膀胱腫瘍といいます。膀胱にできる腫瘍で良性のものは少なく、ほとんどのものが悪性の腫瘍、つまり膀胱がんであるといわれています。
膀胱腫瘍は女性よりも男性に多く、特に70歳代で発症する割合が高く、発症要因に喫煙との関係性が指摘されています。

膀胱がんは大きく分けて、筋層非浸潤性がん、筋層浸潤性がん、そして転移性がんに分けられます。

筋層非浸潤性がん

膀胱筋層に浸潤していない(入り込んでいない)がんで、表在性がんと上皮内がんが含まれています。表在性がんは乳頭状がんとも呼ばれ、その多くは浸潤しませんが放置をすると進行したり、転移するリスクの高いがんも中にはあります。

上皮内がんは膀胱の粘膜ががんとなる状態で、この粘膜は上皮とも呼ばれることから上皮内のがん、上皮内がんと呼ばれます。

筋層浸潤性がん

膀胱筋層に浸潤した(入り込んだ)がんです。これは膀胱の壁に深く入り込み壁の外の組織へ入り込んだり進行が速いことからリンパ節、肺、骨へ転移する危険があります。

転移性がん

原発巣(がんが最初に発生した臓器・病巣)の膀胱がんが他の臓器に転移した状態です。膀胱がんが転移しやすいとされる部位は、リンパ節、肺、骨、肝臓などです。

膀胱がんになるとどんな症状が現れる?

膀胱がんは他のがんと比べると比較的早い段階で症状が出やすいことが特徴です。
初期症状には血尿(肉眼的血尿)や頻尿、排尿痛など膀胱炎に似た症状(膀胱刺激症状)があり、血尿のときは排尿の終わる頃に血尿がみられる事が多く、血の塊が出ることもあります。膀胱がんになった人の約8割は痛みのない血尿、2割から3割は膀胱炎に似た症状がみられるといわれています。

膀胱がんが広がって尿管口が閉塞されると、尿が流れずに尿管、腎盂が大きくなる「水腎症」を引き起こします。水腎症になると背中に鈍い痛み(背部痛)が感じられることがあります。ただ、この背部痛は尿管結石でも出るので、背中に痛みがあるからといって必ずしも膀胱がんと言い切れるわけではありません。

膀胱がんを早期発見するために、どうすればいい?

膀胱がんは早期の段階から自覚症状が現れやすいのが特徴です。
以下のような症状が続く場合は、膀胱がんの可能性がありますので放置さずに病院で検査を受けるようにしましょう。

  • 腹痛などを伴わない血尿
  • 頻尿、尿意切迫感
  • 残尿感
  • 排尿時痛

また、早期発見のためには日ごろから尿の状態をよくチェックし、これらの症状が一過性であってもなるべく早めに病院を受診することが大切です。また、自覚症状がまったくない場合もありますので、一年に一度は尿検査を含めた健康診断を受けるようにしましょう。

おわりに:膀胱がんを早期に見つけるためにも、1年に1度の検査を!

膀胱がんは他のがんとはことなり、比較的早期に血尿や膀胱炎のような症状があらわれますので、このような症状がありましたら早めに病院を受診、検査をしましょう。膀胱がんに限らず、がんが進行すれば危険性も高くなります。1年に1度の検診で予防するようにしましょう。

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