記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/14 記事改定日: 2019/2/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頻尿や残尿感など、排尿に関するトラブルが現れる「排尿障害」。この排尿障害の発症原因は、男女で異なることがあります。
詳しい違いやすぐに病院へ行った方がいい排尿障害の特徴を解説していくので、受診のタイミングを見逃さないためにもきちんと覚えておきましょう。
排尿障害とは、膀胱・尿道、神経の病気などさまざまな原因によって、排尿トラブルが生じる症状です。排尿障害を発症すると、排尿しようとしてもすぐに尿が出なかったり、排尿が途中で途切れたり、尿を出し切るまで時間がかかったり、残尿感が残ったり、といった排尿に関する支障が現れます。
男女ともに加齢に伴う筋肉量の低下や尿感結石などが共通する原因によって起こることはありますが、主な原因は下記で説明するように男女で違ってきます。
男性に多い排尿障害の原因として多いのが、前立腺肥大症と過活動膀胱です。
前立腺は膀胱の出口にある男性特有の臓器ですが、この前立腺が肥大して尿道を圧迫するようになると排尿障害になることがあります。
これは加齢と男性ホルモンの影響で発症すると考えられており、40 歳前後から徐々に発症数が増える傾向にあります。
前立腺肥大症を発症すると、残尿感が出たり、排尿がスムーズにいかなくなったり(尿閉)、排尿を我慢できなくなる蓄尿症状といった排尿障害が現れることがあります。
過活動膀胱とは、膀胱炎などの原因疾患がないにもかかわらず、頻尿や突発的な尿意に襲われるといった症状が現れる疾患です。
過活動膀胱の発症者数は男女とも年齢に伴い増加傾向にありますが、特に50~70歳代では男性の方が多い傾向があり、これには前立腺肥大症の発症が関連していると考えられています。
女性に多い排尿障害の原因として挙げられるのが、「腹圧性尿失禁」です。
腹圧性尿失禁とは
などに腹圧がかかることによって起こる尿失禁です。
妊娠、出産によって骨盤底筋がゆるむことで、子宮や膀胱の位置がずれ、腹圧が低下することが主な発症原因とされています。
また、この骨盤底筋のゆるみによる子宮脱や膀胱脱(子宮や膀胱が体の外に飛び出してしまう疾患)も、更年期以降の女性に多くみられる疾患で、排尿障害を引き起こす原因のひとつといわれています。
ほかには女性の場合、急性膀胱炎や子宮筋腫によって排尿障害を発症するケースも少なくありません。
急性膀胱炎とは、膀胱内への細菌感染が原因で発症するもので、日常的に排尿を我慢していたりすると発症することがあります。発症すると、排尿痛や頻尿、残尿感、血尿などがあらわれます。
子宮筋腫は子宮にできる良性筋腫で、筋腫が大きくなると排尿障害だけでなく経血の増加や月経痛の悪化がみられるようになります。
排尿障害の原因は男女によって異なる場合があり、それぞれ以下のような症状がある場合は
病院を受診するようにしましょう。
これらの症状のうち、特に排尿時痛や腹痛、発熱などの症状や尿の性状に異常が見られる場合は何らかの感染症や腫瘍などの病気の可能性がありますので、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
男性と女性では泌尿器の長さや臓器などに違いがあるため、排尿障害を引き起こす原因が異なることがあります。ただ、検査をしてみないと原因疾患がわからないことも多々あるので、排尿障害が現れたらまずは病院を受診するところから始めましょう。