記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/1 記事改定日: 2019/4/15
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
排尿をするたびに、尿道や膀胱あたりに痛みが走る「排尿痛」。お悩みの方も少なくない症状のひとつですが、この排尿痛は病気のサインの可能性があるのです。では、どんな病気の可能性があるのか、以降で解説していきます。
膀胱から尿が出てくるまでの通路を尿道と言い、尿をするときに膀胱周辺・あるいは尿道が痛むことを排尿痛と言います。
痛みの程度はさまざまで、軽い違和感を感じる程度の場合もあれば激しい痛みで苦しむこともあります。それと合わせて血尿や頻尿・残尿感・発熱といった症状が出てくることもあります。
排尿痛の原因には、大きな病気が潜んでいることも多いです。また排尿困難が起こったら、体内の不要な毒素や老廃物が排出できず、そこから大きな病気に発展することもあります。痛みを感じたら、早めに病院に行って診察してもらうことをおすすめします。
排尿時に下腹部が痛むのであれば、膀胱炎や前立腺炎・尿道炎の可能性が高いです。これらの病気は細菌感染がきっかけで起こるもので、頻尿や排尿困難を伴うことも多いです。原因となっている細菌を抗生物質で殺す必要があります。
なお、尿道自体が痛いのであれば、細菌感染だけでなく尿道の粘膜に傷が付いていることが考えられます。
また、痛みのタイミングもヒントとなります。例えば排尿の終わり頃に痛むなら、尿路結石・膀胱炎・前立腺炎が考えられます。一方、排尿中ずっと痛むなら、尿道結石や尿道腫瘍によって尿道が狭くなっている可能性があります。尿道結石や尿道腫瘍は、尿道炎を放置しておくことでなりやすい疾患です。
ほかに、骨盤の骨折や会陰部の強打といった外傷によって尿道が狭くなり、排尿痛が起こる場合もあります。外傷そのものによって尿道が狭くなるだけでなく、傷が治る過程あるいは傷跡によって尿が出にくくなってしまうのです。症状が重くなってくると、自力で排尿することができなくなります。
そのほかに、性病感染者と性行為を行なったことで細菌に感染し、排尿痛が起こることがあります。多くの場合、コンドームなしの性行為自体が原因ですが、免疫力の低下も原因のひとつとして考えられます。
また、性行為でなく共同の入浴場で細菌に感染してしまうケースもあります。身体が弱っているときには温泉など不特定多数の方と一緒に入浴する行為はやめておきましょう。
なお、免疫力は疲れているときだけでなく、ストレスを感じているときにも低下することがあります。完全にストレスをなくしてしまうことはできませんが、自分なりの解消法を知っておいて溜め込まないようにすることも大切です。また、バランスの良い食事・質のよい眠り・適度な運動など、生活習慣の改善もしてください。
病気が原因の排尿痛や治療が必要な深刻な排尿痛には以下のような症状を伴うことが多々あります。当てはまる症状がある場合は、放置せずになるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
膀胱炎、前立腺炎、尿道炎、尿路結石など、排尿痛を引き起こす疾患はさまざまです。また、病気以外にも、性行為などがきっかけで排尿痛を発症してしまうことがあります。原因によっては対策も可能なので、生活習慣の改善など、まずはできるところから始めていきましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。