ジカウイルス感染症（ジカ熱）

概要

ジカウイルス感染症（ジカ熱）は、蚊を媒介してヒトに感染するウイルスです。そして感染したウイルスがほかの人に感染します。人から人への感染は、典型的にはセックス中（膣または肛門を介して）または妊娠中に起こります。
ジカウイルスはウガンダのジカ森林からその名前が付けられ、1947年に初めて発見されました。最近では、このウイルスはブラジル、プエルトリコ、マイアミなどアメリカ大陸でも感染域を広げています。

症状

ウイルスに感染した蚊に刺されたとしたら、ジカウイルス感染症の症状を経験するかもしれません。症状には、発熱、発疹、目の赤み、関節または筋肉の痛み、または頭痛があります。 症状が刺されて2～7日後に起こることもあり、ウイルス感染が進んでいく間、症状は数日から1週間続くことがあります。
研究によると、感染者のほとんどが自分がウイルスに感染していることを知りません。 平均すると、わずか5人に1人だけがジカウイルスに関連した症状を経験します。

原因

特定の種類の蚊が、ジカウイルス感染症を人間に広げる役割を担っています。 ヒトスジシマカはまた、デング熱とチクングンヤ熱ウイルスを媒介することができます。 このタイプの蚊は日中にも人を刺すことが知られており、沼地に多く生息してます。 感染すると、セックス、妊娠、輸血、または手術室内での感染によってウイルスが広がります。 症状もなく他人へウイルスを広げてしまいます。
最近のジカウイルス感染症の大流行は、重度の脳障害で生まれた赤ちゃんの増加と関連があるとされています。 主な状態である小頭症は、赤ちゃんの脳が正常に発達していない場合に発生します。 赤ちゃんの頭が、平均よりも小さいことが目立ちます。
ジカウイルスが存在する地域に住んでいる、または旅行している場合、または症状が現れている場合は、すぐに医師にご相談ください。 医師がウイルスを診断するために実行できる検査は2種類あります。

・血液検査により、体がジカ熱と戦おうとしているかどうかを確認する
・尿検査で実際のウイルスの存在を確認する。 この検査は、ジカウイルスが体の免疫システムにはいってから2週間以内の場合にのみ、陽性かどうかを確認できる

状況に応じて、医師は上記の検査の一方または両方を行います。 結果は通常3～5日後に結果が判明します。

予防

現在、ジカウイルス感染症を予防するためのワクチンは存在しません。このため、ジカ熱が報告された地域への旅行をキャンセルまたは延期することをお勧めします。ブラジル、メキシコ、プエルトリコ、フロリダの一部が感染エリアとして知られています。
妊娠中の女性や妊娠を検討している人はなおさらです。 ジカウイルス感染地域に住んでいたり、パートナーがそこを旅したりすると、より大きな危険にご自身もさらされます。 安全なセックスを常に行うようにし、コンドームを着用してウイルスを防いでください。
また、蚊に刺されるのを防ぐための予防措置を取る必要があります。きちんと認可を受けた 殺虫スプレーと長い服を着用してください。湿地を避け、寝るときは蚊帳を利用してください。虫よけは、正しく使用されている場合、妊娠中または授乳中の女性には安全なものです。

治療

ジカウイルスを治療する薬や処方箋はありません。 症状がでたら薬を服用する前に医師に相談してください。
ジカウイルス感染症により小頭症で生まれた赤ちゃんの治療法はありません。治療の選択肢は、症状の重症度に応じて異なります。

関連質問

ジカウイルス感染症に罹ったら

医師がジカウイルス感染症と診断したら、自然にジカ熱の特有症状を起こすと思われます。ジカウイルスの広がりを避けるために、安全なセックスを実践するためにコンドームを着用してください。
妊娠中ジカウイルスに罹っているかもしれない場合は、すぐに医師に連絡してください。

医師に相談するための質問

・一度ジカウイルス感染症にかかりましたが、もう一度かかることがありますか？常にウイルスのキャリアになってしまいますか？
・妊娠してジカウイルスに曝された場合、赤ちゃんにウイルスを感染させる可能性はありますか？ 環境、医薬品、その他のウイルスなど、赤ちゃんへの感染に影響するその他の要因はありますか？
・出産後、例えば、母乳を通して、ジカウイルスを赤ちゃんにうつすことはありますか？