記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/8 記事改定日: 2019/1/30
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
貧血(以下、ここでは鉄欠乏性貧血を指します)を発症する要因は様々ですが、鉄分不足が大きな要因となっています。
そこで今回は、貧血の予防・改善に役立つといわれる食べ物・飲み物をご紹介します。
貧血が起こる原因は大まかに〈鉄の摂取不足、鉄の吸収障害、月経・妊娠などによる鉄不足、他の疾患による出血〉の4つにわかれます。
特に女性の場合、偏食やダイエットによる食事の減量、菜食主義、摂食障害や、月経、妊娠・出産・授乳などの女性特有の生理現象で鉄の需要が増えることで貧血になりやすいです。
貧血は食事により改善することも可能ですが、単に鉄分が多い食品を重点的に摂取すれば良いというわけではありません。
鉄欠乏性貧血の予防と改善には鉄を含む食品の摂取に加え、鉄の吸収率をあげる食べ方をしたり、エネルギーやたんぱく質を増量したりすることが大切です。
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があるのを知っていますか。ヘム鉄はレバーや赤身肉など動物性食品に多く、非ヘム鉄はひじき、ホウレンソウ、納豆に多く含まれます。非ヘム鉄の吸収率は2~5%に対し、ヘム鉄の吸収率は15~25%となっています。
鉄の吸収率はあまり良くないため、吸収率を上げるビタミンCとタンパク質を一緒に摂取するのがおすすめです。ビタミンCを多く含む食品は野菜、果物、芋類などがあります。
鉄の吸収を良くするためには、胃酸の十分な分泌が必要です。そのため、早食いは控え、よく噛んで食べるようにしましょう。楽しく食べることも胃酸の分泌に繋がります。また、コーヒーや紅茶などに含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げます。食事中や食後の摂取は控えめにしましょう。
上の項目で説明したように、鉄、タンパク質、ビタミンCなどを豊富に含む食材の摂るようにしましょう。また、造血効果のあるビタミンB12・B6や葉酸を多く含む食材もおすすめです。
具体的には以下のような食べ物・飲み物があげられます。
カツオ、アナゴ、キハダマグロ、アサリ、赤貝、サケ、イワシなど
牛・豚・鶏のレバー、豚もも肉など
卵、牛乳、納豆、豆乳、高野豆腐など
菜の花、キャベツ、ホウレンソウ、小松菜、ゴーヤ、ジャガイモ、プルーン、バナナ、イチゴ、ミカンなど
ここでは、上の項目であげた食材を使用したレシピをご紹介します。
貧血の予防・改善の参考にしてみてください。
〈材料(1人分)〉
1.レバーは白い部分を取り除き、食べやすい大きさに切りよく水で洗い牛乳に30分浸します。
その後、レバーを流水で洗って水気をよくふき取り、Aを混ぜて作った調味料で下味をつけます。
2.Bの調味料をボウルに合わせておきます。
3.1で下味をつけたレバーの水気をふき取り片栗粉をつけて、フライパンに多めの油をひき、揚げ焼きにします。
4.揚げ焼きにしたレバーを2で用意したボウルに入れて全体に調味料をからめるように混ぜます。
5.もやしとピーマンは下処理をし、ピーマンは細切りにしてゆでる。
6.茹で上がったら、皿にもやしとピーマンを盛り付け、その上にレバーを盛り付けて完成です。
〈材料(2人分)〉
1.小松菜を粗みじん切りにする。
2.ボウルに卵を割りいれて、軽くかき混ぜます。
続いて材料を全てボールに入れて、よくかき混ぜます。
3.フライパンに薄く油を引き、卵液を全体の3分の1ほど入れて焼きます。
完全に焼ける前に手前に巻き→巻いた卵を奥にずらして残りの半分を流し入れ→手前に巻き→フライ返しで押し当てながら中まで火を通して完成です。
鉄を多く含む食品ばかり食べていても貧血はなかなか改善しません。
鉄の吸収を促すタンパク質やビタミンCも一緒に摂るなど、バランス良く食べて貧血を予防・改善していきましょう。
また、貧血は病気のサインとしてあらわれている可能性もあるので、今回ご紹介した方法などを試す前に、まずは病院で検査して原因を特定するようにしてください。