記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
プランマー病とは、甲状腺に腫瘍ができて甲状腺ホルモンが過剰分泌されてしまう病気です。バセドウ病に似た症状が現れますが、具体的にはどのような症状が現れるのでしょうか。
この記事ではプランマー病の症状や治療について解説しています。
通常、甲状腺腫瘍ができると甲状腺ホルモンが出なくなってしまうことが多いのですが、プランマー病になると、甲状腺に良性腫瘍ができて甲状腺ホルモンを過剰分泌するようになります。
過剰な甲状腺ホルモン分泌の影響で、手の震えや動悸などのバセドウ病に似た症状が現れます。
甲状腺は新陳代謝や成長や発達に関わり、甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺ホルモンは脳下垂体からTSH(甲状腺刺激ホルモン)と相互に影響しあうことで分泌量がコントロールされていますが、プランマー病で甲状腺ホルモンの量が過剰に分泌されてしまうと脳下垂体から分泌されるTSHの量が抑制されてしまいます。
その結果、甲状腺が正常に機能しなくなり、さまざまな症状があらわれるようになってしまうのです。
プランマー病では、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって次のような症状が現れます。
また、プランマー病では甲状腺にしこりができますので、のどぼとけのあたりを触るとコリコリとしたものが触れるようになります。
気になる症状があるときは、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
プランマー病は甲状腺にできた良性腫瘍が原因で引き起こされるため、基本的には手術で腫瘍を摘出する治療が行われます。
一方で、年齢や基礎疾患などにより手術が困難である場合には、甲状腺に集まる性質を持つ放射性ヨウ素剤を服用し、身体の内側から甲状腺ホルモンを産生する細胞を破壊するアイソトープ治療が行われることがあります。
いずれも、治療後に甲状腺ホルモンの分泌量が正常に戻っていきますが、まれに治療によって著しく甲状腺ホルモンの分泌量が低下することもあります。このような場合は治療後に甲状腺ホルモンを補充することになり、定期的な検査が必要となります。
プランマー病は、甲状腺に腫瘍ができたことで甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気であり、手の震えや動悸などの甲状腺機能亢進症状が現れます。
ただし、甲状腺機能亢進症状の原因となる病気は複数あり、原因によっては治療方法が異なる場合があります。症状の改善のためには適切な治療が必要です。
疑わしい症状が出たときは、必ず専門の医療機関で検査してもらいましょう。