包茎の原因は種類や体質によって違うの?

2017/12/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

包茎とは、亀頭がペニスの包皮に完全に覆われている状態のことを指します。包茎は主に仮性包茎、真性包茎、嵌頓(かんとん)包茎に分けられますが、これらにはどのような違いがあり、どのような原因があるのでしょうか。

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包茎の種類について

 

包茎は男性器の亀頭部分に皮が被っている状態を意味し、下記のような種類に分けられます。

仮性包茎

仮性包茎は最も多いとされている包茎であり、皮は被っているものの手で剥けば亀頭が露出するというのが特徴です。勃起しても露出させることができない場合は重度の仮性包茎に分類されます。

真性包茎

亀頭に完全に皮が被っている状態で、通常時や勃起時などペニスの状態に問わず皮を剥くことができません。衛生面から病気のリスクも高い包茎といわれています。

嵌頓(かんとん)包茎

嵌頓包茎は、包皮の出口の大きさが狭いため、包皮を剥いたときに亀頭を締め付けてしまう包茎です。無理して皮を剥いてしまうと、亀頭に強い痛みや大きな腫れが現れたり、包皮が裂けてしまう可能性があります。また、剥いたあと元に戻らず、亀頭を長時間締め付けることになってしまうと、緊急手術が必要になってしまう危険性があるので注意が必要です。

仮性包茎の原因とは?

日本人の成人男性の約6~7割が該当するとされている仮性包茎には様々な要因があります。
最も多いとされているのは亀頭を覆う皮が長過ぎることであり、その皮の長さと男性器の大きさが釣り合っていないことが挙げられるでしょう。

また、思春期に自慰行為をし過ぎてしまうことが原因という説もあるようです。これは自慰行為をし過ぎることで男性器の成長に必要なホルモンが不足してしまうことでペニスの成長が妨げられてしまうことが要因という考え方に基づいています。ただし、この説は完全に立証されたわけではありません。

真性包茎の原因とは?

生まれてきたときのペニスは亀頭が完全に皮に覆われている状態であり、生まれてきたときは全ての人が包茎です。思春期になり、皮を自分で剥くなどしながら、亀頭が露出した状態に慣れさせることで、包茎は少しずつ露茎(勃起時以外でも亀頭が露出していること)に変わっていきます。

つまり、包茎の原因のひとつとしては、思春期の頃に亀頭を覆っている皮を剥かなかったということが挙げられるでしょう。皮を剥くことは最初は痛みを伴いますがじょじょに慣れていき、そのことにより男性器の衛生状態を保つこともできるので、とても大切なことです。ただしこれだけが原因と言うわけではなく、これ以外にも皮が伸びにくいなど、体質が関係しているケースもあります。

嵌頓(かんとん)包茎の原因とは?

嵌頓(かんとん)包茎の原因のひとつに、真性包茎の人が無理をして一気に皮を剥いてしまい、元に戻すことができなくなってしまったことが挙げられます。また男性器の成長が著しい思春期の就寝中の勃起で、無意識の内に皮が剥けてしまうことが原因になることもあります。
亀頭と皮が癒着している状態を何とかしたい一心で無理矢理、剥いてしまうと特にこのタイプになりやすく、更にはお風呂などで清潔のために洗おうとする際にもこのような事態になってしまうことは少なくありません。
これらは、真性包茎と同様に、思春期の頃に徐々に皮を剥く習慣を作らなかったことで皮が伸びず、包皮の出口が広がらなかったことが原因と考えられます。

また、上記で取り上げたもの以外に、埋没包茎という包茎もあります。埋没包茎は医学的な包茎ではありませんが、下腹部、太ももあたりの脂肪にペニスが埋没してしまうことで起きる包茎であり、近年注目されている包茎です。それほど肥満体型でない人にも起こるケースがあるため、包皮の切除以外の治療が必要になることも多いといわれています。

おわりに:包茎の種類は様々。ただし、思春期の過ごし方が原因になっている可能性がある

包茎は、大きく分けて仮性包茎、真性包茎、嵌頓(かんとん)包茎の3種類があります。一般的に治療が必要とされるのは重度の真性包茎と嵌頓包茎であり、仮性包茎は治療の必要がないといわれています。ただし、性的なコンプレックスを強く感じている人は、治療をすることで悩みから開放されることもあるため、検討してもいいでしょう。
どの包茎も思春期に包皮を剥くクセをつけなかったことが原因のひとつと考えられますが、包茎の原因はその他にも考えられます。包茎の悩みは、専門医に相談することで改善できるものもあるので、悩みを抱えている人はまず一度相談してみることをおすすめします。

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