疲労や息切れがサルコイドーシスの症状?どうしたら気づけるの?
2018/4/26 記事改定日: 2019/6/3
記事改定回数:1回
サルコイドーシスとは、肺や皮膚、目などの様々な部位に肉芽腫ができる病気です。サルコイドーシスは肉芽腫ができたところだけでなく、疲労や息切れなどの全身症状が現れることが特徴です。
この記事ではサルコイドーシスの症状について解説していきます。
サルコイドーシスになると、どんな症状がでるの?
サルコイドーシスとは、肺や目、リンパ節、皮膚、心臓などの臓器に肉芽腫という小さな腫瘍ができる病気です。年々増加傾向にある病気であり、上記の中でも特に肺や目の病変が多く見られます。
目にサルコイドーシスができると「ぶどう膜炎」という目の炎症ができます。日本において、サルコイドーシスによるぶどう膜炎は、ぶどう膜炎のなかでも最も頻度が高い疾患といわれています。
症状の傾向
サルコイドーシスの症状は、病変に侵された臓器ごとの臓器特異的症状と、侵された臓器とは無関係に起こる非特異的全身症状があります。ただし、サルコイドーシスの特徴として地域や人種によって症状の出方や重症度がかなり異なることがわかっています。
日本での発症例を見てみると、自覚症状がなく健康診断で胸部X線(レントゲン)検査をしたら偶然に発見されることが多いといわれています。
ただし、肉芽腫が発生する部位によっては自覚症状が現れることもあり、最近は症状に気づいて受診して発見されるケースも増えているようです。肺と眼と皮膚に肉芽腫ができることが多く、他にも心臓や神経、筋肉、骨などに影響が出ることもあります。
サルコイドーシスの特異的全身症状の特徴は
全身症状としては、疲れと息切れが代表的です。病院を受診しても異常が発見できず「自然に治る」と告げられることも多く、長期間治らずに思い悩んでしまう人も多いといわれています。
なぜ息切れが起こるか原因ははっきりしていませんが、サルコイドーシスを発症した人は呼吸筋の筋力が弱くなっていることが多いことが報告されています。
また、全身に痛みを感じることも多いです。特に多いものは胸の痛みであり、締めつけるような激しい痛みが起こることもあり、心臓痛と間違われてしまうこともあるようです。
痛みがある部位を検査をしても異常が見つからないことも多く、通常は気にならない程度まで痛みが弱くなっていきます。
どんなときにサルコイドーシスを疑えばいいの?
サルコイドーシスは目立った症状がないことも多く、発見が遅れがちになる病気の一つですが、次のような初期症状が現れることがあります。当てはまる項目が長く続くときは放置せずに病院を受診するようにしましょう。
- ものがかすんで見える
- 光が異常にまぶしく見える
- 視野にゴミや蚊のような虫が飛んでいるように見える
- 目が充血する
- 物が見えにくくなる
- 目が乾きやすい
- 下肢を中心に発疹ができる
- 顔や上下肢、体幹部などに痛みのないしこりができる
- 動悸や息切れがする
- 手足に原因不明の痛みが走る
- 慢性的な鼻詰まりがある
おわりに:疲れや痛みなどの症状があると、医師にきちんと伝えることが大切
サルコイドーシスでは、説明ができない全身症状が見られる人が多いという特徴があります。訴えられる症状で多いのは疲れや息切れ、痛みや発熱などです。
これらの症状があるからといって必ずしもサルコイドーシスが疑われるわけではありませんが、症状については細かく医師に伝えるようにしましょう。
またサルコイドーシスを発症した場合は、臓器特異的症状が良くなっても全身症状が残ってしまうことがあります。これらの全身症状に悩むこともあることをきちんと理解しておき、不調がある場合には医師に相談するようにしてください。