記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/5 記事改定日: 2020/1/15
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
解離性障害とは、自分が自分であるという認識がなくなってしまう心の病気です。様々な症状が現れ、症状の度合にも個人差があるので、本人も周囲の人も気づきにくいという特徴があります。
この記事では解離性障害の人への接し方の注意点について解説しています。
解離性障害は、「自分が自分である」感覚が一時的に失われ、その症状が日常生活に支障をきたす状態をいいます。
主な原因として考えられるのは、ストレスや心的外傷です。
心的外傷とは、災害や事故、暴行、慢性的な性的虐待や監禁状態などによる精神的なショックなどがあてはまります。
これらの精神的負担を避ける自己防衛反応が、解離性障害につながるとされていますが、症状が幅広く、程度も個人差があるため、経験ある医師でも「解離性障害」と判断するのが難しいことがあります。
解離性障害では次のような特徴が現れるのが特徴です。ご自身や周囲の方に当てはまる項目が多い場合は解離性障害の可能性もありますので、できるだけ早く精神科や心療内科などで相談することをおすすめします。
解離性障害を持つ人と接するときは、2つのことに気をつける必要があります。
解離性障害を発症した人は、周囲からその病状を信用されず「演技をしているのではないか」と疑われてしまうことも多いです。そのような疑いをかけられることが、症状をさらに悪化させてしまうことも少なくありません。
また、本人が自身の症状に気づかないことも多くことから、本人だけでなく、家族や友人など周囲が解離性障害に関する正しい知識を身につける必要があるのです。
グランディングとは、五感を活用して症状を改善させる方法です。たとえば、足を組んで座っていたら両足を床につけるよう声をかけたり、氷を手に握らせたり、日光を浴びさせることで、触覚、視覚、聴覚などを刺激します。
この方法で本人の意識を「今」「この場」「自分」に呼び戻し、症状に回復がみられるケースがあるといわれています。
解離性障害のサポートの第一歩は、本人が安心、安全と感じる環境を周囲が整えてあげることから始まります。
環境を整えるには、家族や友人などの周囲の人や医師が、患者との信頼関係を築けることが重要です。環境が整ってくれば、少しずつ解離された心の状態を表現しやすくなるでしょう。
その段階まで進むと、時間の経過に伴って症状が自ずと快方に向かったり、別の症状へと移行する場合があります。また、本人にプレッシャーをかけず、社会との接点を失わないようサポートを行うことも忘れないようにしてください。
解離性障害の症状を改善するためには、家族や職場などの周囲の人が早い段階で症状に気づいてあげることが大切です。
しかし、周囲の人が理解することは難しく、ときには医師でも判断に迷うケースがあるといわれています。まずは、解離性障害に対する知識を深めることが、私たちにできる第一歩となるでしょう。