リウマチになると強膜炎を併発しやすいって本当?!

2017/12/26

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

強膜炎とは、目の強膜といわれる膜組織に炎症が起こることです。視力が大幅に低下し、壊死性強膜炎に進行した場合は眼球を取り除く手術をしなければいけなくなるケースもあります。この記事では、リウマチと強膜炎の関係性について解説していきます。

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強膜炎とは?

強膜とは眼球の一番外側の白目とよばれている部分で、眼球全体を外からの衝撃や圧力から守っています。「強膜炎」とは、この膜に重度の炎症が起こることで、視力を脅かすこともある目のトラブルです。

眼の奥深くにうずくような痛みがあらわれて紫がかった濃い赤色に充血し、涙量が増えたり明るい光に過敏になったり、睡眠障害が出ることもあります。重症になると炎症部分が薄くなってぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜の総称)が透けて見えたり穴が開いてしまうことがあります。これは「壊死性強膜炎」とよばれ、こうなると眼球を摘出しなくてはならなくなる可能性があります。約3割が両目に発症するとされています。

強膜炎は30~50代の女性の割合が比較的多く、原因は免疫の異常、結核やヘルペスなどの感染症、ウェゲナー肉芽腫や糖尿病などの全身疾患の合併といわれ、もっとも多いとされるのが「関節リウマチ」との合併です。ただし約半数の原因は不明といわれています。

リウマチを併発しやすいって本当?

関節リウマチも30~50代の女性の割合が多い病気です。関節が炎症を起こして軟骨や骨が壊され、変形して動かなくなってしまうもので、関節の腫れや激しい痛み、しびれのほか、発熱や疲れやすさ、食欲不振などの全身症状を起こし、炎症が肺や血管から全身に広がる場合もあります。これらは、免疫の働きに異常が生じ、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことから起こると考えられています。

全身病ともいえる関節リウマチは、強膜炎などの目のトラブルも引き起こします。目が炎症を起こして充血する、目を動かすと痛む、光が急にまぶしく感じられる、目が乾く(ドライアイ)といったトラブルに加え関節の痛みなどがある場合には、関節リウマチが疑われる可能性があるでしょう。ただし、目のトラブルの原因には関節リウマチ以外の病気が隠れている場合もあります。

強膜炎は治療できるの?

強膜炎は、軽症であれば非ステロイド系の抗炎症薬の内服ですむ場合もありますが、まれです。ほとんどの場合、初期には副腎皮質ステロイド薬の点眼あるいは内服を行い、必要に応じて点滴や注射を行います。
反応がないか患者自身が症状に耐えられない場合や、壊死性強膜炎の場合、結合する組織に疾患のある場合には、リウマチ専門医と相談しながら免疫抑制剤の内服または点滴・注射を行うことになります。
壊死性強膜炎では、穴があいてしまうことのないよう強膜の移植を行うこともあります。強膜炎を引き起こしている原因がほかの疾患の場合には、その治療も並行して行っていきます。

なお、強膜炎患者のうち3割の人が3年以内に視力が大きく下がるとされ、壊死性強膜炎で全身性血管炎をもつ人は半数近くが10年以内に心筋梗塞などで亡くなっているといわれています。

おわりに:強膜炎には関節リウマチが隠れている場合も。異常があれば早めに眼科へ

強膜炎の多くに関節リウマチが関わっているように、目のトラブルの陰には重大な病気が隠れている可能性があります。放置して重症化させてしまうと視力や命にかかわることもあるので、異常がある場合は早めに眼科を受診するようにしましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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