記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/17 記事改定日: 2019/7/4
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
口唇炎は唇の周りに湿疹ができたり、出血したりするものです。唇の周りが荒れてくると、まずは保湿を・・・とやみくもにリップクリームなどを塗ってしまいがちですが、荒れた原因を知った上で対処すると早く治る可能性があります。ここでは口唇炎の原因とその対処法についてご紹介します。
口唇炎は、口の周りの皮膚炎や湿疹などが唇に発症したものです(口角に発症した場合は口角炎と呼ばれます)。口唇炎は体調不良の時に生じやすく、唇が赤く腫れあがったり、裂けるなどして出血を伴う痛みが出たりします。また、小中学生に多い舌なめずり皮膚炎も口唇炎に含まれます。
口唇炎は唇が乾燥し、皮がめくれて唇や周りの皮膚がガサガサになるのが特徴です。また、発赤やただれ、ブツブツや出血などが出たり、色素沈着を起こすこともあります。痛みやヒリヒリ感はありますが、かゆみはそれほどありません。
基本的に、口唇炎は他の人に感染することはありませんが、ヘルペスウイルスが原因で唇やその周りに水泡が生じている場合は感染する恐れがあります。これまでとは違う荒れ方だったり、治りが遅い場合などは皮膚科で診てもらったほうが安心です。
口唇炎は病気だけでなく、日常生活の中にも要因が潜んでいます。たとえば、偏った食生活でビタミンAやB2、B6、ナイアシンが不足したり、ストレスや睡眠不足があったりすると、口唇炎を発症しやすくなります。特に、ビタミン類が不足すると剥離性口唇炎を発症しやすくなります。
冬は乾燥がひどくなるため、唇が荒れる原因となります。しかし、保湿のつもりで塗ったリップクリームや口紅、グロスなどの成分が原因で接触性口唇炎を発症することもあります。石鹸やクレンジング、スクラブ剤や歯磨き粉、マウスウォッシュの成分も、その原因となることがあります。
また、日光もしくは光線口唇炎は、日光や蛍光灯などの紫外線による刺激を長期間受けることが原因で発症します。これは唇が日焼けしてしまう状態で、赤く腫れたり水泡やびらんが生じてかさぶたができ、乾燥や亀裂が起こったりします。
口唇炎になってしまった場合、発症原因によって対処方法が異なります。
体調不良が発症原因と考えられる場合、規則正しい生活を心掛けるとともに、特に不足しているビタミン類を豊富に含む食事を摂ることが大切です。乾燥が原因と考えられる場合は、強くこすらないよう注意して刺激の少ない保湿剤(ワセリンやグリセリンなど)で保護してください。接触性口唇炎の場合、原因と考えらえるリップクリームや口紅などの使用を止め、低刺激の保湿剤を選びます。いずれの場合も清潔を保ち、患部に刺激を与えないように注意することが大事です。
ひと通りのケアを行っても改善しなかったり、再発を繰り返してしまう場合や、自分に合った保湿剤などがわからない場合、病院へ行って検査を受け、最適な治療を施してもらうほうが早く治ります。検査によって原因となるアレルギー物質などが見つかったり、細菌感染など思わぬ原因が見つかることもあります。内臓の病気のサインになっていることもあるため、これまでと違う荒れ方をした時は早めの受診が大切です。
口唇炎の原因が何かを考えてから自分に合う治療法を選ぶと、治りが早くなる可能性が高くなります。原因が思い浮かばないときは安易に自己判断をしないで、医師に診てもらいましょう。