血栓性外痔核を自然治癒させるための対策とは?
2018/4/27 記事改定日: 2020/1/8
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血栓性外痔核とは、外痔核の静脈に血栓ができてしまう痔核(イボ痔)のことです。腫れや痛みが主症状ですが、血栓性外痔核は自然治癒することはあるのでしょうか。血栓性外痔核の治療法や予防法とあわせて解説していきます。
血栓性外痔核になると、どんな症状が出るの?
肛門の周囲にコリコリとした腫れがあり、痛みがあるようであれば血栓性外痔核の可能性があります。
血栓性外痔核とは、外痔核(イボ痔)の中でも痔核の静脈の中に血栓があるもののことです。一時的に肛門に負担がかかることで発症しやすくなります。
主症状は腫れと痛みで、痛みの程度には個人差がありますが、触ったり、何かが当たったりすると痛みが出るのに、便を出すときはそれほど痛まないという特徴があります。
また、腫れと痛みの強さは比例せず、大きく腫れていても痛みがほとんどない場合もあります。
血栓性外痔核は、どれくらいで自然治癒するの?
血栓性外痔核は静脈に血栓ができます。血液は送られてきますが、心臓への帰り道である静脈が詰まってしまうことで、流れなくなった血液が溜まっていきます。それが腫れとなって現れ、血栓性外痔核を発症するのです。
急激に腫れが大きくなったり急に痛みが出てきたりしますが、自然に溶けたり吸収されたりすることで血栓が無くなっていけば、詰まっていた静脈に血液がふたたび流れだし腫れが引いて痛みも治まっていきます。
ただ、痛みのピークは2~3日続くことが多く、完全に腫れが引くまでには1ヶ月ほどかかるといわれています。
日常生活に支障をきたすほど痛みがひどい場合には手術が検討されることもありますが、特別な治療を必要としないことのほうが多いです。
ただ、頻繁に痛みを感じて気になるという場合は薬で緩和することもできるので、医師に相談して適した薬を処方してもらいましょう。
血栓性外痔核を早く治すには、どうすればいい?
血栓性外痔核は肛門の周囲にできる痔核(イボ痔)なので、中に押し込んでも改善しません。触ったり、無理やり押し込んだりすると刺激で腫れや痛みがひどくなるおそれがあります。
また、血栓性外痔核は冷やしてしまうと症状が悪化する可能性があります。血栓を溶かしやすくするためにも、温めて血行循環をよくしてあげましょう。
普段はシャワーのみという人も、湯船にゆっくり浸かって温めたり、カイロやホットカーペット、こたつなどをうまく利用して温めるようにしてください。
血栓性外痔核は予防できるの?
血栓性外痔核を予防するには第一に日ごろから便秘を予防して便通を整えることが大切です。また、硬い便は血栓性外痔核の原因にもなるので食生活や水分の摂取量にも注意しましょう。
そのためには次のような対策がおすすめです。
- 野菜やキノコなど食物繊維を含む食品を積極的に摂る
- 水分不足にならないようこまめな水分補給を心がける
- 適度な運動習慣を身に付ける
- 腸内環境を整える乳製品や納豆などの発酵食品を多く摂る
- 起床時にコップ一杯分の水分を摂る
また、血栓性外痔核は排便の仕方に注意することでも発症を予防することができます。
長時間便座に座っていきんだり、強くいきみすぎたりすると外痔核ができやすくなりますので注意し、冬場などは便座のヒーターなどを活用してお尻が冷えないようにしましょう。
おわりに:血栓性外痔核を治すコツは温めること。良くならないときはすぐに病院へ
血栓性外痔核は、中の静脈に血栓ができてしまった外痔核です。冷してしまうと血流が滞り悪化するおそれがあります。血栓を溶かして自然治癒を促すためにも、日頃から冷さないように注意し、湯船に浸かるようにしたり、カイロを使うなどして温めることを習慣化しましょう。
ただし、あまりに痛みがひどいときや長期化している場合、何度も再発している場合は、手術などの治療が必要になる可能性があります。我慢しすぎはよくありませんので、早めに専門医に相談しましょう。