記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
冷え性は女性に多いといわれていますが、これはいったいなぜでしょうか。この記事では、冷え性の症状や原因について解説しています。また、冷え性を改善したり、冷え性になりにくい体作りの対策についても紹介しています。
冷え性は、血流の勢いが弱まり、心臓から離れた毛細血管まで血液が行きわたりにくくなることで、手足の体温が上がらない症状をいいます。夏にも冷え性は起きますが、気温の低い冬のほうが、症状が深刻になりやすいです。
冷え性になると、どんなに厚着をしても寒気が止まりませんし、便秘や下痢に悩まされやすくなるといわれています。また、ダイエットをしても脂肪が燃えにくいので、痩せるのが難しくなります。
冷え性が女性に多いのは、体温を作りだす筋肉の量が男性と比較して少なく、また、一度冷えると温まりにくい皮下脂肪の量も多いことが原因と考えられています。また、身体を締め付けて血行を悪くするような下着や衣服を身につける機会も多く、月経(生理)が血流に影響を及ぼすことも関係しているといえるでしょう。
もっとも、冷え性に悩まされる男性も少なくありません。老化などで筋肉量が低下すると、女性と同様の冷え性が起こりやすくなるのです。
血流が悪くなることで発症する冷え性は、様々なことが原因になります。
仕事上の緊張や家庭内の悩みなどでストレスを溜め込みすぎてしまうと、自律神経のバランスが乱れてしまい、毛細血管への血行不良を引き起こしたり、体温調節機能がうまく働かなくなったりすることがあります。
ダイエットのしすぎや、ジャンクフードの食べ過ぎによって、身体の調子を整えるビタミン類やミネラル類が不足すると、血液循環が悪化して冷え性になりやすくなる可能性があります。
便秘とは、腸の動きが悪くなり人間の生命維持に必要なエネルギー代謝(基礎代謝)が下がっている状態です。そのため、血流も弱くなりやすいといわれています。
タバコを吸う習慣がある人は、ニコチンの作用により血管が収縮してしまいますので、必然的に血流も悪くなり、冷え性になりやすくなるといわれています。また、喫煙は基礎代謝も下がりやすくなるとされていることも、冷え性の発症に関係するといえるでしょう。
東洋医学では、まずは、身体を温めやすい「温性」と呼ばれる食べ物を積極的に食べるように心がける事を推奨します。しょうが、ネギ、にんにく、ごぼうなどの根菜系の野菜や、ごま、あずき、黒豆などの黒い穀物が「温性」とされます。同じ野菜でも、サラダにして生で食べられる類いのものは、身体を冷やしやすい「冷性」なので気をつけたほうがいいですが、陽性のみに偏らず、バランスよく食べることが重要です。
また、軽いウォーキングやストレッチなど、運動をする習慣を付けるのも、体温を上げて冷え性を改善させる効果が高いといわれています。
また、風呂場ではシャワーではなく湯船に浸かるようにしましょう。湯船に浸かることはリラックス効果が期待でき、血行が良くなる効果も期待できます。
冷え性は、体質的に女性に起きやすいですが、運動によって適度な筋肉を付けて、ストレスを解消し、身体を温めやすい食材を積極的に摂り、ゆったりした入浴でリラックスすれば、十分に改善が期待できます。冷え性解消に適した「食事」「運動」「入浴」の習慣を日常に採り入れ、改善を間座しましょう。